第1061号 経営者よ、座して死を待つなかれ

第1061号 経営者よ、座して死を待つなかれ

業績軸から幸せ軸への本気の舵取りが企業を救うと強く箴言してきました。この先どう考えてもそれ以外に企業経営の存続はありえないことを改めて検証いたします。

赤字企業は3分の2

「国税庁統計法人税表」によると2022年度の赤字法人率は64.8%となっています。リーマンショック後の最悪だった2010年度の75.7%に比べると落ち着いているようにみえますが、中小企業庁の統計によると事業者数はこの間、421万から337万と84万、5社に1社も消失しているのです。大きなトレンドでみると高度成長を謳歌し、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称賛されていた1970年代は逆に70%の会社は黒字だったのですから、いかに状況が悪化してきたか一目瞭然です。

最盛期の半分になる中小企業

内閣府の資料によると、政府は2040年に企業数は200万台へ減少し最盛期の55%まで縮小していくとの将来推計を発表しています。この先10数年でさらに40万社以上の会社が無くなると見ているのです。その根拠は、これまでも指摘してきた通り、わが国に襲いかかっている生産年齢人口(15~64歳)の著しい減少です。総務省統計局の資料では戦後、増加を続け1995年にピークの8716万人に到達した以降は減少を続け、2024年には7397万人になり、実に1319万人近い労働者(働き手)と消費者(顧客)、そして後継者が日本から消失しています。今後、さらに2500万人以上減り、2050年にはついに6000万人割れと予測されています。

深刻化する中小企業の経営状況

混迷を極めている産業社会ですが、それが加速していることが昨今の報道でより際立っています。

バブル崩壊時よりも企業倒産増加率は増え、半数は後継者不足により黒字でも廃業を余儀なくされ、しかもこの2年間は毎月対前年比で倒産件数が増えているというのです。そして、経営コンサルの倒産が前年比1.5倍に急増、過去最多を更新という。経営悪化する企業が増える時期に、逆に企業を救うはずの「経営のプロ」がバタバタ倒れているという皮肉な事態となっています。数年前に恩師坂本光司教授は法政大学院の講義で中小企業診断士を目指している社会人受講者に次のように言い放っていました。「人を大切にする経営を指南できる士業でないとこれからは仕事にならなくなる」この予言が成就しているとしか思えない状況です。

もう答えははっきりと決した

初めて人本経営のご指導に入らせていただいたのだが大阪のヘッズさんで丸15年前のことでした。業績軸から幸せ軸への経営改革が大成功し、そのご縁で当方は関西でよく活動するようになり、記事にある’22.9月から’24.8月までの2年間、関西で10社以上新規のお客様が増えています。いずれも幸せ軸の人本経営の導入支援の仕事で、どの企業も状態がよくなって元気いっぱいです。

幸せ軸経営の実現、これが唯一の救済の道

2~3年ならともかく10年先も今の会社を存続させたいのなら、一日も早く、「幸せ軸」の会社づくりに取り組むことが、今を生きる経営者にとって、成功のための絶対的な選択肢であると断言できます。幸せ軸経営は「人口が減っていく」という右肩下がりの環境であったとしても人々から選択され続けるため成長していくことができる成功体験です。業績軸から幸せ軸へ、この変革を実現できる企業こそ、混迷化のこの先も、持続可能性を高め続けていけるのです。どう考えても、もうこれが正解といえる時代になりました。人本経営が唯一の幸せ軸経営実現の方法論とは申しませんが、確かな実績があるから自信をもってお奨めできます。経営者諸氏、待ったなし決断あるのみです。

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