第1043号 ベルナティオふたたび、圧巻の深い学び
2024.7.1
先週は、壺中100年の会が行われました。新潟のいい会社をベンチマークしてきました。この1年ですでに3度訪れた「あてま高原リゾート ベルナティオ」に定員をはるかにオーバーした36名の参加者をお連れしました。
極めて貴重なホテルでの人本経営成功事例
通常は企業視察となりますので、そんなに長居は出来ませんが、ホテルなので1泊2日まるごと人本経営の社風にどっぷりつかることが可能です。これは極めて貴重で参加者は完璧に幸せ軸の人本経営の素晴らしさを満喫させていただくことができました。
実際、帰りのバス車内での各人のふりかえりコメントは、心底に幸せ軸経営の大切さがしみ込んだというものばかりでした。
佐野智之総支配人の熱のこもったご講話、ベルナティオ名物「バックヤードツアー」、社員さんもご参加いただいたスペシャル懇親会、和太鼓チームによる演目披露、濃厚なバーでの二次会、そして翌日は午前中いっぱい社員の皆さんとクロストークをさせていただき大、大、大満足のツアーとなりました。
示唆に富んだ学びの数々でした。ほんの少しとなりますが、シェアしていきます。
同業他社をよくしていく取組みに熱心
他の人本経営成功企業でも例外なくみられることですが、佐野総支配人はじめ皆さんは、同業であるホテル業、旅館業の視察も積極的に受け入れて、ともに社風の良い職場環境を築いていこうと惜しげもなく、そのノウハウをお伝えされています。これまでに36都道府県の宿が宿泊研修に来たそうです。今回のツアーでも、群馬の伊香保、そして草津の二つのホテルの経営陣、リーダーの皆さんが参加されました。ものすごく深い学びになったとのことで、確実に自社の経営に反映されていくことでしょう。業界全体に幸せ軸経営が広まれば、それは社会にとって良いことであるという信念に1ミリの揺らぎもありません。
客をつくらないことが生命線
これまで900回近い視察をしてきましたが、今までになかった考え方、あり方が示されました。それは、ベルナティオでは「お客様をつくらない」という思想で経営をしているというのです。
従業員とお客様という関係になると、常にお客様が上位で、従業員は召使のように奉仕し続ける関係になります。サービス業なのだから、それは当たり前だろうという考えはここにはないのです。
ベルナティオではホテルはサービス業でなくホスピタリティ業だと全従業員は定義づけしているのです。ホスピタリティの語源であるホスペスは歓待するという意であって、来てくださったゲストに寄り添い関心をもって期待に応えることを仕事にすることだと佐野総支配人はご説明されていました。客のわがままな欲求に応え続けていく奴隷=スレーブを語源とするサービス業だと仕事はつらくなっていくというジレンマに陥りやすくなります。ゲストの期待に応え、それが上回ったら、喜びが生まれ、その仕事を実現していくホスピタリティ業だと、ゲストも従業員も相互に楽しくなります。その関係性は上下ではなく対等で、家族や仲間という状態になるのですと佐野総支配人。実際、幸福感にあふれたここのスタッフの皆さんに触れていると客というより幸せな仲間になったという感覚が確かに沸いてきます。
ホテルでは、接遇という無形のものを売っているので、ゲストとの関係性づくりを上手にしていくことが大切で、そのためには自己肯定感の高いスタッフが必要になるので、ここベルナティオでは1年かけて、この「あり方」を身につけていくように丁寧に新人を育てているのです。
お客様をつくらない・・・なんと斬新で深い思慮なのだろうと感嘆してしまいました。
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