第1036号 経営者、経営幹部の皆さまへ重要なメッセージ
2024.5.13
政財界が、人的資本経営に色めき立っているので、千載一遇のビジネスチャンスとばかりにシンクタンク、コンサルファームが人的資本経営に関する情報提供を競って行うようになってきました。しかし、1026号「人を大切にする経営を正しく理解して発信せよ」にて指摘したように、専門家と称する輩でも、人を大切にする経営に対する誤用、誤解がいまだにまかり通っているのが現状です。
人的資本経営の実践 ≠ いい会社
最近、人的資本の情報開示をする企業が出始めて、関心をもって分析をしていますが、依然、業績軸を展開している企業だと認識できるケースが8割近くになっています。それでも2割は幸せ軸をベースに人的資本経営を展開しようとしているということもいえます。
つまり、永続を実現する幸せ軸の人本経営に近づいてきていることは認識できるものの、依然、距離は遠く、人的資本経営を実践しているから「いい会社」であるとみなすことは残念ながらできないのが実態なのです。
今後の企業の存続、すなわち持続可能性を高めていくためには、幸せ軸の経営を形成していくことが確実に成功していくための選択肢です。
変なコンサルやシンクタンクに惑わされない
幸せ軸経営を実現するための助言指導できる専門家の言質に耳を傾けられるかどうか、これが重要です。
少なくとも、そうした専門家がそばにいなければ、津波のような勢いの「既往のしわ寄せ」(業績軸の限界)に巻き込まれ、沈んでいく未来が待っているのです。
2023年、経営コンサルの倒産が1.5倍になり過去最多を更新していることが物語っています。今や幸せ軸の経営を指南できなければ、付加価値を生めず瀕死の状態になっていることを知ってほしいのです。
幸せ軸の経営参謀をおく
業績軸から幸せ軸への経営革新は、発想の転換が不可欠です。このため、正しく幸せ軸の経営を導く知見のある経営参謀をおくことが重要です。
それはすでに人本経営の実践に功を成した経営者でもかまわないですし、外部の専門家でもよいです。伊那食品工業の塚越寛さんの著作に触れて経営感覚を幸せ軸へ研ぎ澄ましていくことも立派な参謀です。
外部の専門家を選択する場合、間違っても「ジョブ型雇用」を推奨するような業績軸のコンサルタントやシンクタンクを招き入れたり、影響を受けてはいけません。
正解は人本経営に成功した企業にある
人本経営が唯一の幸せ軸の経営の実現手段だとは申しませんが、これまでの実績から確実に実現できる確かな経営手法であることは断言できます。
そして、どのような会社でもそれを実践できる実務を確立できています。
もし人のことで悩んでいるなら、迷わず「人本経営」を実践してください。
右肩下がりの環境下で現代企業が持続可能性を高める三種の神器=低離職率・新規採用の実現・低離職率というこの良好な結果は、何によって実現されるのか。その結果を創り出している人々との関係の質の良好さに起源しています。人々との関係の質の最上は、幸せであること、そして信頼できること、これ以上のものはありえません。よって、経営の目的はそれを叶えることに尽きます。
それが幸せ軸の経営ということなのです。
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