人本経営水先案内人小林秀司サイト

人本経営は唯一の幸せ軸経営実践の手法ではありません。

しかしながら当方では15年にわたって、社労士という実務家として、どうすれば人本経営が実現でき、抜群の社風を醸し出していけるか、860社の企業に学び、160社の企業でご指導、ご支援をさせていただきました。そして確固たる良い風土改革の実現をもたらした実績があります。よって、先例に倣い実践していただくことで、きびしいこれからの環境下でも持続できる会社づくり実現の可能性が高いと断言できます。参考にしていただきたく、いくつかの成功パターンはありますが、スタンダードな実践論についてご紹介していくことにいたします。

人本経営実践のためのその1　経営者が心を整える

まず一つの結論があります。次の伊那食品工業、塚越寛さんの言質をしかと受け停めていただくことです。

「快適な職場づくりは、利益があるからできるのでしょう？」と言われることがありますが、それは違います。バランスを取りながらも、たえず快適な職場づくりを重ねてきた結果、収益力があとからついてきたのです。

現在、赤字であろうと黒字であろうと、これから幸せ軸の経営に邁進すると1000%決意を固めていただきたいのです。この経営者の本気度が必要不可欠です。そして、以後、悩んでもぶれずに、絶対に幸せ軸で会社をよくしていく、よくなると信じてください。

人本経営実践のためのその2　理念を幸せ軸に置き換える

人本経営者として心が整ったら、次は、その意思を経営理念に反映させていきます。どのような理念にしていくは、もちろん経営者の思いですからご自由です。ただし、絶対に入れる必要がある文言があります。それは「社員の幸せ」を目的にしていくということです。

＜事　例＞

ヘッズ	経営理念：多くのしあわせを創りだすことにより社員がしあわせになり、支持され、成長する会社になる　社是：幸せ創造会社
ATR	経営理念：全社員の幸せを通して世の中に『ありがとう』の輪を広げ幸福総和No.1企業を創る　※ATR=アドバンティク・レヒュース　1031号参照
SVC	経営理念：人本経営　その無限の力を信じ、最高の社員幸福と顧客感動を生み出す　社是：社員に笑顔を　会社に輝きを

伊那食品工業　経営理念：会社の発展を通じて、社員がみな幸せになり、社員の幸せを通じて社会に貢献する　社是：いい会社をつくりましょう

いかがでしょうか。いずれも経営の大前提として、社員が幸せになることが明確に明示されています。これによって経営の目的が定まり、ぶれることがなくなります。理念は経営者一人が考案する、幹部で揉む、社員も巻き込む、などその設定においてアプローチはいろいろありますが、「社員の幸せ」を念じることですから、人本経営の場合、多くはトップ自らが一人で考え宣言しているケースが多いようです。

人本経営実践のためのその3 社員が健康になっていく施策を講じる

想いが固まったなら、次は必然的に行動です。経営者として腹が据わっても、それが目に見える風土へ変化していくまでは、当然、それなりの時間がかかります。よって、そこはすぐに期待せず、まず、会社は変わろうとしていると社員がわかる施策を講じてください。社員が健康になっていくための背策を講じていくのです。貧乏工場だった伊那食品工業を任された塚越寛さんは、牛乳1本の配給と休憩時間におやつ代500円の支給から始めています。非喫煙手当5000円を給与規程に反映した企業もあります。出来ることから取り組んでみてください。(つづく)

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