第1023号 社長、創業の精神を忘れていませんか
2024.2.5
社長、創業の精神を忘れていませんか
社長は会社をつくったとき、どんな思いで起業したのでしょうか。
自分のしようとしている事業は、他にはない価値があるから、必ず社会に受け入れられ、
そして、お客さまも沢山ついてくれ、きっと儲かるに違いない。
この執筆をしている私こと小林秀司は、
株式会社シェアードバリュー・コーポレーションを創業したとき、そんな思いでした。
企業経営において人の専門領域にいる社労士がよく変われば、
必ず中小企業に好影響を与えて、きっと社会が良くなるに違いないと確かに信じて会社をつくりました。
前職で10年間、社労士という資格を扱うキャリアデベロップの事業につかり、
起業してもやっていけると生意気にも自信がありました。
そして、サラリーマンより報酬はうんとよくなるという私欲も
もちろん創業の大きな動機になっていたことは確かです。
創業1年目の悲哀
不安がないことはありませんでしたが、
やはり、いつまでも人に使われる職業人生でなく、経営者として生きていこうと決断しました。
満を持して、企画開発をして商品を社会に打ち出していきました。
ここで前職の会社組織の素晴らしさを痛感することになりました。
広告、印刷、営業その他すべての企業活動に関することが、
前職の自部署他部署の仲間やその会社の歴史によって
計り知れないほどの恩恵を受けていたことを痛感させられたのです。
自分一人でやっていくことは、こんなに大変なことなのかと思い知らされました。
借入した創業資金はみるみる減っていきます。
集客も計画にはほど遠い現実が待っていました。
それでもできたばかりの名も知れない新会社の商品を
高額のお金を支払ってくださるお客様が一人また一人と増えっていった時の感動は
今も忘れていません。
事業経営をしていくことは並み大抵なことではないと1年目に思い知らされました。
急成長と頓挫
きつかった創業でしたが、とっておきの自信がある企画があり、遂に実現していきました。
仕事は原則として社労士有資格者に対して、独立して企業に成功してもらうための能力開発や
事業戦略の教育事業やマーケティング支援を行っていました。
今でこそ社労士といえば雇用助成金のコンサルは定番ですが、
当時はほとんどノウハウが確立していませんでした。
これに目をつけ「SVC公的助成金普及促進会」という啓発啓蒙ビジネスを始めました。
助成金獲得ノウハウを学んでいただく講座を次々に開講し、
受講生と共に新規顧客を目的に日経新聞主催のフォーラムなどにも積極的に出展していきました。
これは大いに当たり、創業2年目、3年目と急成長していきました。
しかし、このビジネスも数年で限界を感じます。
助成金の獲得がいかにうまくなっても、時の政権の政策によって大きく制度内容が変更されてしまうこと、
不正が横行しやすいためルールが朝令暮改ですぐにノウハウが陳腐化してしまうこと、
何より出会うお客様は助成金目当てですから、金の切れ目が縁の切れ目となります。
目先の利益を追うことの経営の儚さをここで学びました。
揺るぎなく幸せ軸にシフトすることの重要性
創業の目的と何か違うと数年、悶々と試行錯誤の日々が続きます。
そして起業後10年にして恩書に出会い、人を大切にする幸せ軸の経営に心酔し、
人本経営の実務を新たな商品として息吹を吹き込んできました。
このことはこの通信でも何度も語ってきました。
ここで申したいことは、当時、安定するほど収益は潤沢ではありませんでしたが、
この道が王道と気づいてから、業績軸から幸せ軸へ変わろうとしない
既存のお客様とのご縁が切れることに未練がなくなり、実際に失注をしていくことも発生し、
いったん売上は減りましたが、その後、時と共に当方のメッセージに共感共鳴してくださるお客様が増え、
失注した額より遙かに収益性が改善されたという事実です。
持続可能性の高いお客様が増えると自社も持続可能性が高まるのです。
どうか目先の利益が減ることを恐れず、
果断に幸せ軸経営へ舵をきることを自らの成功体験から心から推奨させていただきます。
信じる者は救われる、これは、まさしく真実以外の何ものでもないのです。
【お知らせ】――――――――――――――――――――
おかげさまで新SVC通信は、発刊1000号を迎えることができました。
これを契機に、さらに人を大切にする人本経営について
伝道していく使命を色濃くしていきたいと考えています。
つきましては、しばらくの猶予期間を経て
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