第1012号 遂に、後がなくなった
2023.11.6
遂に、後がなくなった
業績軸から幸せ軸へ、舵を切りなさいと口角泡を飛ばすように伝えてきました。
これからの時代、右肩上がりの前提で発想していく売上至上の拡大再生産型の業績軸経営では、
早晩行き詰まることは確実であることは火を見るより明らかだからです。
規模の経済を突き抜けたドン・キホーテグループのような巨大企業は、
これからも価格戦略でゴーイングコンサーンの道は可能かもしれません。
しかし、一般的な中小企業においては、
もはや価格戦略という経営手段は選択肢としてはあり得ないのです。
賃上げの社会的要請、そして物価高の社会環境が一段と押し寄せ、
さらに業績軸経営を窮地に追い込んでいます。
増える「中小企業」の倒産~遂に始まった限界企業の淘汰
中小企業庁が取りまとめ、公開している資料「倒産の状況」によれば、
中小企業の倒産件数は2022年4月以降、常に前年同月の件数を上回っているということです。
2023年の倒産件数は著しく、9月までの9ヶ月でおよそ6200件以上の倒産が報告されています。平均で毎月およそ697件の中小企業が倒産しており、
前年同月比で比較すると毎月平均35.3%増となっています。
特に直近の8月は倒産件数が高く、前年同月比で54.4%の増加率と、前年よりも大幅に増加しています。
倒産原因は「販売不振」と「既往のしわ寄せ」が目立っているとのことです。
既往とは「過ぎ去ったこと」を指す言葉で、
対して「しわよせ」は「あることの結果として生じた無理や矛盾を、
他の部分に押しつけること」を指します。
このふたつを組み合わせた表現である「既往のしわよせ」による倒産とは、
経営状態が悪化しているにもかかわらず、現実を直視せず
具体的な対策を講じないまま過去の資産を使い果たして倒産に至ることをいいます。
とうとう、変われない業績軸型限界企業の淘汰が始まったみるべきでしょう。
完全に土俵際です。
新年号の当通信第971号「この1~2年が重要な転機になってきている」で
「幸せ軸の経営の重要性に気づき、人本経営へ経営の舵を抜本的に切れる企業がどれだけ生まれてくるか、
この1,2年はまさにこれが問われる端境期になる」と警鐘を鳴らしました。
この予見が現実化したものと考えています。
本号を読んでくださっている経営者の方へ、本気でお伝えしたいこと
すでに幸せ軸の人本経営にチャレンジしている方は、
さらに本気モードで幸せ軸の人本経営の実践を強くお願いいたしたい。
坂東太郎の青谷洋治会長は、変化の今の時代には、「強く」必要とされ、役に立ち、愛されるかが重要で、
例外、番外といわれるレベルの存在になることで時代に求められる、と喝破されています。
人本経営を実践しているから安心と手を抜かることなく、さらに去年よりも目に見えて、
幸せ軸の色を濃くする取り組みに誠心誠意あたっていく決意を新たにし、行動に変えてください。
まだ、幸せ軸の人本経営に舵を切れきれていない方は、もう後がありません。
「既往のしわよせ」倒産をしたくなければ、本気になるしかありません。
会社を救えるのは経営者である貴方の決断以外にはないのです。
先月、大阪で、新たに1社、ケーキ屋さんで人本経営実践のお手伝いをさせていただきました。
全国の洋菓子店は2022年までの、この10年で14,206店から10,658店へと減少の一途を辿っています。実に75%にまで減ったことになります。
これは洋菓子業界に限ったことではありません。ほぼあらゆる業界が斜陽化しているのが今の日本です。
しかし、本気になった経営者は手をこまねいてはいません。
この社長さんも、一念発起して幸せ軸の人本経営にチャレンジしたのです。
指導(「社風をよくする研修」の実施)した翌日、この経営者の方からメッセージが届きました。
「素晴らしい門出を迎えることができました。もう良くなるイメージしかありません。
今後ともよろしくお願いいたします」
163社目の人本仲間が誕生した瞬間でした。右肩下がりの環境にあっても成長していく
幸せな成功体験である幸せ軸の人本経営は最良かつ最強です。
ぜひ仲間の輪に加わってください。
多難な時代ですが、決意してくださった皆さまと
これからも前へ前へ進んでいこうと当方も覚悟はできています。
【お知らせ】――――――――――――――――――――
おかげさまで新SVC通信は、発刊1000号を迎えることができました。
これを契機に、さらに人を大切にする人本経営について
伝道していく使命を色濃くしていきたいと考えています。
つきましては、しばらくの猶予期間を経て
今後は以下の配信申し込みをしていただいている方限定で
配信させていただくことを予定しております。
バックナンバーも同時に限定化していく予定です。
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