第1007号 値決めができる企業へ変貌する鍵

第1007号 値決めができる企業へ変貌する鍵

値決めができる企業へ変貌する鍵

値決めができる企業になること。
この命題も、今これから持続可能性を高めていくために重要なテーマになってきています。
値決めができるためには、どのような条件が必要でしょうか。

・他社にはないオリジナリティがあること
・顧客に必要とされる商品やサービスを提供していること
・その仕事をしたことで役立った、助かったと顧客に感謝されていること
・目先の売上、利益に拘泥する経営を戒めていること

こんなところでしょうか。

オリジナリティは業界の非常識から生まれやすい
他社と同じことをしていてはオリジナリティが生まれないことは言うまでもありません。
世の中が右肩上がりから右肩下がりの経済環境にどっぷり移行しているのに、
相変わらず「安くていいものを売る」のが正解だと考えていては貧して鈍するだけです。
人々がこれから求めるのは「幸せ」です。
右肩下がりになっても、「幸せ」だと感じる商品にはお金を出してくれることは確実です。

自分の仕事、職業で当たり前のようにしている業界の常識は、
本当に人々の「幸せ」増進に寄与しているのかどうか、
もう一度立ち止まって考えてみましょう。

筆者は、15年前まで社労士の仕事として
労働紛争の解決をすることは必要なことだと思って仕事をしていました。
それが業界の常識だからです。
しかし、その仕事をしてもしても、その職場には活気がみなぎっていきません。

何か違うと立ち止まり、気づきました。
そんな仕事をしているから「幸せ」な状態からほど遠くなるのだと。
対症療法でなく、健全健康な職場づくりこそ大事な仕事であると覚醒し、
人を大切にする経営の研究をこつこつと重ね
「幸せ軸の人本経営の実務指導」という新たな商品を開発していきました。
現在、ほぼ100%この仕事で当方の社労士の活動は構成されています。

業界の常識だとしても、
その仕事が関わる人々の「幸せ」増進につながないのであればきっぱり捨て去り、
どうすれば「幸せ」をもたらされるのか試行錯誤をして、
新たな商品づくりにチャレンジしていきましょう。

必要とされる商品サービスの答えは現場にしかない

介護シューズという高齢者になくてはならない履物として愛され続ける
「あゆみシューズ」を開発した徳武産業。

老人ホームの経営者から入所者が躓き転ぶのを防ぎたいので見てほしいといわれ、
現場のお年寄りの足に寄り添っていきました。
ご老人一人ひとりが抱えている足の健康状態や悩みが千差万別であることに
当時の十河社長は驚きます。

これは既製品ではだめだと2年間にわたり何百人の高齢者に向き合い、
一人ひとりに合うシューズを作り続けていきました。
結果、片足だけの販売という靴メーカーではあり得ない非常識が、
今、介護シューズの常識となり大ヒット商品になっていきました。

顧客の笑顔は社員の真心込めた仕事で生まれる

他社や他店と同じ商品、サービスであっても顧客から選択されている会社もあります。
例えば美容室や飲食業などはその典型でしょう。

成功する条件は例外なく接客をしている社員一人ひとりの人間力高さ、
そこから自然と行動される利他性に惹きつけられていくのだと存じます。
人間力教育を重視し徹底する、このことも現状打破の決め手になるでしょう。

下請けや入札業者からの脱却は必須
昨今のニュースでこれらの経営のあり方は、もはや限界であること明らかです。
今すぐは無理だとして、5年以内には経営体質を変えていくという不退転の覚悟で
経営革新に臨むしか選択はありません。一択です。

経営者一人で悶々とすることはありません。
経営幹部、リーダー、そして一般社員も巻き込んで脱下請け、脱入札の企業へ、
どうすれば実現できるか知恵を出し合っていきましょう。

そうした経営課題を提示したら、社員だって前のめりになるはずです。
この際もキーワードは、目的は「幸せ軸」です。
どうすれば、わが社の経営資源を社会の幸せ増進、増大に実現できる用途があるのか、
先入観を捨てて対話をしていきましょう。
これを実践したのは前述の徳武産業で、
積年悩まされていた下請け企業の悲哀からも脱出していったのです。
為せば成るのです。

【お知らせ】――――――――――――――――――――
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これを契機に、さらに人を大切にする人本経営について
伝道していく使命を色濃くしていきたいと考えています。

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