第995号 人(社員、消費者)に選ばれる会社でなければ存続できなくなった
2023.7.3
人(社員、消費者)に選ばれる会社でなければ存続できなくなった
ジョブ型を普及させる政策を導入する、
退職金に増税する、転職者に30万円の助成をする、などなど
人を大切にする経営という視点からは、
およそありえない真逆な政治を異常に推し進める岸田政権。
本当にひどい内閣だと感じます。
どうか、人本経営を前進させておられる企業におかれましては、
動じず、まっすぐとぶれずに
今後も人を大切にする経営に邁進していただきますよう
改めてエールをおくります。
断固として持続可能性を高めていく経営手法は
人本経営以外にないと確信しています。
2023年4月企業社会の現在地 赤字企業、30%→61.7%へ
高度成長を謳歌し、
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称賛されていた1970年代、
赤字の企業は30%でした。
オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック、
そしてコロナ禍といった大きな経済環境の変化に遭遇し
その割合は61.7% (令和3年会社標本調査結果)に悪化しています。
企業の数は、最盛期の7割を切った
事業者数(会社)は1986年の535万者から
2016年の359万者へと減少の一途をたどっています(168万者減)。
→企業数の変化と開廃業の動向。
最新の速報(2022.5.31)では、2021年はさらに5%減。
今、多くの業界で斜陽化が進んでいます。
パチンコ産業は、かつて30兆円市場であったのが、
2020年にはついに半減の14.6兆円にまで縮小しています。
旅館業では、その数は最盛期の55%に減少しています。
コロナ前、内閣府は2040年に企業数200万台への減少を予測していて、
最盛期の55%まで縮小していくと予測をしています。
完全なる右肩下がりの状況が、現在のわが国の企業者間の環境です。
その理由は言うまでもなく少子高齢化です。
未来に影を落とす少子高齢化
人手であり主要な消費者層であって企業経営に影響を与えるのは
生産年齢人口(労働者層15~64歳)です。
全人口は減少し始めたばかりですが、この人口層の減少が深刻です。
戦後、増加を続け1995年にピークの8726万人に到達した生産年齢人口は、
それ以降は減少を続け、2020年には7292万人になり、
実に1434万人近い労働者と消費者が日本から消失しているのです。
今後、さらに2500万人以上減り、
2050年にはついに5000万人割れと予測されています。
かつて経験のない労働者・消費者の大量消失、これが今後30年は続く
15~64歳=社会の中核をなす労働者・消費者が、
そして後継者となる経営者が6割しかいなくなる世界のなかで
我々は生きているのです。
バブル期をピークに6~70年間、その状態にあることが確定しています。
「失われた30年」などという表現で
低迷する経済社会を形容する評論家がいますが、
失われたのではなく、新しい現実が起きていると考えないと
貧して鈍するだけの未来がまっているだけです。
つまり、高度成長経済社会から漸減成長経済社会に、
ありていに言えば、右肩上がりから右肩下がりの環境下へと
わが国は完全に変貌したというのが前提です。
そして、コロナ禍がこの環境変化を促進させているというのが、現在地となります。
この状況下で、希少価値となった人を大切にしない会社がこの先、
持続できるはずがないのです。
人本経営は「したほうがいい」ではなく「しなければ始まらない」時代になった
2008年に名著『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司・著)に出会い、
企業が永続するためには人を大切にする経営=人本経営を実践していくことが
唯一無二の「あり方」と悟りました。
以来15年間、社労士という仕事を通じて、
人本経営を実践し成功するための実務を一つひとつ形にしてきました。
目標としたい「いい会社」のベンチマーク社数は800回を超え、
指導企業は155社を数えるに至ります。
コロナ禍を経て、試練をバネに変え、社員全員でたくましく乗り越え、
さらに斜陽業界にあっても発展成長を遂げる
数多の人本経営実践企業の輝きをまざまざと見るにつけ、
この経営はホンモノであるという揺るぎない確信と、
これからの時代に人本経営こそが王道との光明を十二分に覚えています。
すぐには結果は出ないものの、
時と共に確実に結果が出るのが人本経営。
確実に結果が出るゆえに王道といえます。
よって一日も早く、この人本経営が標榜する「幸せ軸」の会社づくりに取り組むことが、
今を生きる経営者にとって、
成功のための絶対的な選択肢であると改めて断言できるのです。
前進していきましょう。
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