第983号 企業経営における「幸せ」の定義Ⅲ ~幸せを実現する実務

第983号 企業経営における「幸せ」の定義Ⅲ ~幸せを実現する実務

企業経営における「幸せ」の定義Ⅲ ~幸せを実現する実務

企業経営における「幸せ」の定義について前2号で考察しました。
今号では、実務を考えてみることにします。

幸せを実現する実務

(1)労働者、業者の健康の増進増大

1 このために長時間労働状態を放置せず
 原則8時間で昨年よりも事業が成長できる経営計画を練ること
2 パワハラや下請けいじめのような不健全な事態が発生しないよう
社員の人格教育をはかり、優良な人間力形成を育み、
利他の精神に優れた人財を養成し続けること
3 社員食堂の整備など健康面に気を使った福利厚生を行うこと(出来るところから)

(2)報酬を年齢の15倍の年収を支払うよう賃金体系を整えること
1 その状態を実現するためには、どのような事業構造が必要であるか、
 真摯に向き合い経営計画を練ること
2 業績云々ではなく、必ず毎年全員の昇給を実現させていく。
 そのために急成長を志向するのではなく
 身の丈で確実に安定成長をしていく年輪経営の実現を企図すること
3 利益計画(一定の割合を内部留保として留め、
 1割以上は研究開発といった未来投資を行い、
 残利益を昇給原資にあてる)を立案し実践行動していくこと

(3)支援型リーダーシップの醸成
1 ボスマネジメントの風習は一掃し、現場に支援型リーダーを配置していくこと
2 支援型リーダーシップを全社員が身につけられるように風土改革をはかること
3 仕事の都合より家庭の事情を優先していいことを宣言し、
 育児や介護と仕事を両立させること。
 また子の入学式や運動会の行事など
 家庭円満の幸せを実感できる時間を有給休暇の取得をできるよう保障すること。
 これらの実践により、お互い様、おかげ様の企業文化を育んでいくこと

(4)お客様との時間を大切にする取組
1 例えば、経営者と複数社員が顧客先現場に出向き、
 商品やサービスがどのように有効に役立っているかを実感する時間を捻出すること
2 1の実践を重ねていくことで、
 提案型ではなく傾聴型の営業の重要性を社員に体感させ、
 真にお客様が望んでいるものを騒動できるように
 社員の能力(思考力、行動力)を高めていくこと

(5)社員同士のオフサイト交流の場づくり
1 職務を離れて「みんなでやる」機会を創出し続けていくこと
例)お仕着せでない社員旅行の定期開催(伊那食品工業)
  部署間越えた社員同士が疑似家族になり交流するハッピーファミリー制度(ヘッズ)
  クラブ活動(未来工業、ゲットイット)
2 オフサイトミーティングを社内会議のスタンダードにしていくこと

(6)幸せ軸の価値観に共感共鳴してくれる人の輪の拡大
1 理念採用を実践し「幸せ軸」の人本経営に共感共鳴する新人を採用していくこと
2 法定企業はもちろんのこと、社風がよくなってきたと感じられたら
 法定義務に関係なく障がい者雇用にチャレンジすること
3 新規顧客獲得は口コミで広がっているかを常に意識し、
 どうすればさらに口コミが拡散できるか思考し行動していくこと

(7)幸福度調査の定期的な実施
 人本経営の実践を試みた結果の社員の幸福充足度の変化を定期的に測定していくこと。
 課題がみつかれば、幸せ軸がさらに進むほうへぶれずに問題解決を繰り返していくこと

人本経営伝道士として、これらを実践していけば
間違いなく人本経営は出来上がっていくと保証します。

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