第957号 人的資本「エンゲージメント度」の開示法

第957号 人的資本「エンゲージメント度」の開示法

人的資本「エンゲージメント度」の開示法

人的資本経営において必ず出てくる経営人事用語に
「エンゲージメント」という言葉があります。

人本経営でも重要視しており、指導を開始した12年前から、
これについてはアプローチをしてきました。

社員満足度といった場合、
「報酬」「労働条件」「職場環境」といった主に衛生要因が重視されますが、
エンゲージメント度とした場合は、それに加えて
「働きがいの状態」「人間関係の質」「帰属意識」といった
動機づけ要因をより重視した経営マネジメントを
意識しないと高まりません。

エンゲージメントとは、会社と社員が互いに必要とされ、
共に成長できるような絆(エンゲージ)を堅くしていく組織開発の考え方です。

では、具体的にどのような状態であれば、
エンゲージメント度が高いといえるのでしょうか。

米国の調査会社であるギャラップ社では、
働きがい、やりがいを感じて『熱意あふれる』社員が多く
幸福度の高い組織とはどのような状態であるか、
1000万人の顧客、300万人の従業員、20万人のマネージャーを対象に
大規模調査をした結果、企業と社員のエンゲージメント度合いを強く堅くするのは
以下の12の要素に特定できたと報告しています。

エンゲージメント度合を強く堅くする12の要素

1.私は仕事の上で、自分が何を期待されているかがわかっている
2.私は自分の仕事を正確に遂行するために必要な設備や資源を持っている
3.私は仕事をする上で、自分の最も得意とすることを行う機会を毎日持っている
4.最近1週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした
5.上司または職場の誰かは、自分を一人の人間として気遣ってくれている
6.仕事上で、自分の成長を励ましてくれる人がいる
7.仕事上で、自分の意見が考慮されているように思われる
8.自分の会社の使命や目標は、自分の仕事を重要なものと感じさせてくれる
9.自分の同僚は、質の高い仕事をすることに専念している
10.仕事上で、誰か最高の友人と呼べる人がいる
11.この半年の間に、職場の誰かが自分の進歩について、自分に話してくれた
12.私はこの1年の間に、仕事上で学び、成長する機会を持った

世界有数の調査会社ギャラップ社が、ビッグデータを元にして結論付けているので、
信憑性は高いと判断できるでしょう。

人を大切にする人本経営を実現している会社でも、
これら12の要素は確実に見て取れる特徴であると共通性をとても感じます。

エンゲージメントの計測法

では実際にエンゲージ度合いがどの程度かどのように計測していけばよいでしょうか。
これには弊社で実施している「社員意識調査」によりサポートができます。

同調査は人本経営の実践度を推し量っていますが、
組織診断のために社員一人ひとりに回答していただく50の設問中、
上記12の項目に関連する設問をピックアップして抽出することで、
その組織のエンゲージメントスコアとして開示することができます。

例えばエンゲージメント1については
調査の設問2「自分の仕事の役割は明確でやらされ感なく仕事ができている」、
エンゲージメント2については
設問39「コンピュータ、工具等の機器・道具類は十分に整備されている」といった具合に、
12のすべての要素においてピタリとあてはまる設問が用意されています。

社員はそれぞれ
(そう思う・まあそう思う・あまりそう思わない・そう思わない)で回答しますので、
すべての社員の回答結果を集計し指数化することで、
その組織のエンゲージメント度として開示できます。

指数(係数)は最高が100となりますが、
60を超えてくるとエンゲージメント度は高いと判定します。

ちなみに下表のように
エンゲージトスコアは社員意識調査を実施していただくと判定しています。

人的資本の開示事項であるエンゲージメント度は、
ぜひ弊社の「社員意識調査」をお役立てください。

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