第936号 人本経営サミット2022 レポート②

第936号 人本経営サミット2022 レポート②

人本経営サミット2022 レポート②

セッション4  ヒグチ鋼管

樋口社長は、以前は先陣をきって指示命令していましたが、
「与える」実践、「離す」実践を信念をもって進めた結果、社員が自走する組織になり、
今は後方にいて社員からの提案の承認や助言といった支援する立場になったという。

このことで社長一人だけで出来ることから、可能性が社員全体に広がり、
そのパワーは計り知れないほど大きくなったと回顧。

右腕の小川さんは、ヒグチ鋼管で培った人本経営のノウハウをM&Aした会社で展開し、
人を大切にする経営で企業再生を図る任務に就任。
圧迫されていた前社長の経営から解き放たれ、社員たちは喜びの表情に満ちてきたという。

ヒグチ鋼管でできた人本経営が
M&A先で成功しない訳がないと確信して取り組んでいるとのことでした。

後継者のいない中小企業が行き場を失うといわれる社会問題に対して、
同社の社員が経営者となって、多くのものづくり企業を人本経営の実践により再生させ
持続可能性を高めていくというビジョンを掲げ実践しているのです。

次世代リーダーの安田さんは、提案型だった仕事のスタイルが、
自社のことをアピールするのでなく、相手がどう思っているのか、どう考えているか、傾聴型になり、
結果、新たな要望を引き出せたり、悩みを引き出し、仕事が拡充し、
業績が向上したということです。

感銘いたしました。もはや日本の宝物のような存在にヒグチ鋼管はなってきたと感じました。

セッション5  宮脇鋼管

幹部27名で昨年のコロナ騒動下でも10カ月間の「人本経営実践講座」を敢行しました。
1年が経ち、多大な変化がみられているとのことです(本文下部)。

人本経営効果で「心理的安全性」が高められたことが明確に伝わってきました。
幹部一人ひとりが関わるステークホルダーとの関係の質を向上させ、
思考、行動がよくなり、結果の質が伴って引き上げられたとのだと感じました。
これは大きい。

結果は、今期、過去最高益になり、
コロナ禍のダメージを余りあるほどに一気に改善されています。

そして、利益の30%相当が社員へ決算賞与として還元されるとのこと。
人本経営を学べば学ぶほど、実践すればするほど、
幸せな結果が返ってくるのだと悟らされました。

セッション6  リブリッジ

ご登壇いただいた石松明彦社長はリクルートスタッフィングで
2万人を超えるキャリア支援を経て起業された経歴の持ち主。

人を大切にする「いい会社」へ「いい人財」をマッチングさせることをミッションにする
次世代型人材ビジネスを展開中。

今後、企業が求職者を選択する時代はもう到来しない。
人を大切にする経営は大前提として行っていなければ、
求める人材から、「選ばれる会社になる」ことはないという
現業を通じてのメッセージをいただきました。

単なるではなく「絶対的な」心理的安全性の確保という土台なくして、
いい人材との出会いはありえないとの示唆は、聴講者の心に刺さったかと思います。
そのうえで、様々な採用活動について留意すべきご教示、大いに参考になりました。

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