第858号 エンゲージメント2020
2020.9.7
エンゲージメント2020
人本経営における経営人事マネジメントで重要な要素は、組織内のエンゲージメント度をいかに高めていくかということが挙げられます。これについては、人本経営実践講座のカリキュラム編成においても力点を置いていますし、本通信でも幾度となくレポートをしてきました。昨年もエンゲージメント度合いを高める人事制度のあり方をまとめています。
→「人本経営における人事制度のあり方1 役割要件・機器類購入」(通信第804号)
コロナ渦でリモートワークといった、これまでになかった距離感を意識しなければならないという問題が多くの企業で新たな組織課題となっていることもあって、今、ワークエンゲージメントに関する注目が俄然高まってきているようです。そこで、改めてワークエンゲージメントについて考察してみたいと存じます。ぜひ上記のレポートも読み返しながら、本号を参照していただけましたら幸いです。
■ワークエンゲージメントの目的
組織内の関係の質を向上させること。これにつきます。よりよい思考が生まれ、行動につなげていき、ふさわしい成果を各人に達成してもらうことです。結果として、組織全体は好業績となります。
【実践していく重要事項】
◎期待していることを明確にする
商品を販売するときには、顧客はそれを購入することで、その後どのようなことが実現できるかを期待して購入しているはずです。そして、売り手もそれを商品説明でメッセージすることに気を使っています。組織のリーダーとメンバー間でもこのことはとても重要です。職場で顔を合わせているときでも、自分がいてもいなくても同じだと感じればエンゲージメント度は薄れ、離職する可能性が増してしまいます。リモートならなおさら、どのような仕事をしてほしいかをリーダーはメンバーに語りかけることを欠かしてはなりません。また、メンバーからリーダーに期待することについてのヒアリングも怠ることなく実施していきます。メンバーからも単なる我儘でなく、組織をよりよくしていくための要望の声をリーダーに届けるとよいでしょう。ここを明確にできると、期待に応える仕事が出来ることで本人は「役に立った」という達成感を得られ、相手は「よくやっている」と承認や感謝の念が湧き、さらにいい関係の質が生まれていきます。
◎環境に配慮する
リモートワークを常態化していくのならば、それに耐えられる通信速度や機器類、セキュリティ、さらには必要な手当といった仕事のパフォーマンスが一定に保たれる環境を整備していくことを怠ってはなりません。ギャラップ社のエンゲージメント調査でも、この項目が2番目に重要性があると指摘していることを改めて認識していく必要があるでしょう。必要な設備投資やサテライトオフィスの活用など、新しいサービスの導入などは積極的に検討していくことです。ベストな状態にすることが一番ですが、そこにむけてベターな対応を取っていると働いている皆さんが感じることでエンゲージメント度は高められていくはずです。
◎支援型リーダーシップを発露する
ピンチをチャンスに変えよということは、よく言われてきました。コロナ禍の今こそ、このことを実践するには最高の環境といえるでしょう。いつもは思い切って出来ないことがチャレンジしやすくなっています。今こそ、組織に支援型リーダーを養成する絶好機としてとらえ、行動していきましょう。チャレンジし甲斐のあるテーマといえますし、これでブレークスルーできた組織こそが、次代で輝くに違いありません。これはリモートワークを導入する、しないに関わらず、一人ひとりの自律自発性を増していく支援型リーダーシップを組織に根付かせていくことは、今後、様々な不測の事態が発生した際に、強くたくましく持続できるレジリエンス力をつけていくことになるからです。
※支援型リーダーシップについては以下をご参照ください。
→「支援型リーダーシップの発揮のために」(通信第763号)
→「支援型リーダーシップに求められる10の基本行動」(通信第764号)
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