第843号 アフターコロナの世界

第843号 アフターコロナの世界

アフターコロナの世界


ようやくコロナ災禍の終わりが見えてきました。自粛生活も今月で終焉し、6月からは2020下期へ向けて社会経済活動は反転の動きとなる模様です。

■アフターコロナはどんな世界になるか

そして、あまりに生活苦を強いられたため、もう二度とこんな災厄は御免被りたいと、世界の国々が一つになる可能性が極めて高いと考えられます。

自分さえ、自分の国さえよければいいという自己中心的な考え方の先に本質的な解決策がないことは、子どもでも(いや、この場合は「大人でも」というべきか)わかることです。文字通り、すべての人類にとってウイルスの脅威から解放される幸福な状態をつくり続けていくためには、個々が連携して利他的な協力をしていく行動なくしては実現不可能だという現実が突き付けられます。

■SDGsが本格的に世界の中心軸となる

そうした利他的行動を牽引していくのに、これ以上ない理念を幸いにも人類は生み出していました。そう、「だれ一人取り残さない」持続可能な社会をつくるための世界共通の開発目標、SDGsです。コロナ発生以前にはこの4文字をメディアで見ない日がなかったくらいフィーチャーされていましたが、ここのところすっかり影を潜めています。コロナは今ここにある緊急問題で、SDGsは緊急性のあるものではありませんから、ある意味その現象は当然といえるでしょう。

しかし、アフターコロナでは、200%SDGsは主役になります。

■人本経営実践企業、成功企業が世の中を明るくしていく

繰り返しますが、自分さえ、自国だけよければ、を排除していくSDGsの要諦は利他です。ジャック・アタリも著書『2030』で利他主義の重要性を繰り返していましたが、もう間違いなく、企業社会では、経済成長至上主義は終焉し、調和善循環しながら持続していく道に進みます。そのメルクマールとなるのがSDGsです。

人本経営を形にしている企業では、今さら言われなくても、とっくにSDGsが目指している目標をいくつも達成できているケースを数多く認識しています。それもそのはずで、利他を最大化できるのが、人を大切にする「人本経営」に他ならないからです。ですから、あらゆる分野で人本経営を実現している企業群が、自身の事業を通じて暗い世の中に灯りを燈し、来るべき持続可能社会の実現に向け、復活再生の中心的役割を担う資格と実力を備えているといえるでしょう。

SDGsがゴールと掲げた2030に向け、人本経営を志している企業や組織が中心となって光り輝く時代が始まったのです。

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