第795号 スマートエコノミーの衝撃~人を大切にしない企業は救われない時代へ

第795号 スマートエコノミーの衝撃~人を大切にしない企業は救われない時代へ

スマートエコノミーの衝撃~人を大切にしない企業は救われない時代へ

先週、ご紹介があり日本生産性本部の方とお会いしました。

日本サービス大賞という顕彰事業の普及のために、優良企業についての情報交換をしたいということが目的でした。

いちばん大切にしたい会社大賞の活動をしていると、この日本サービス大賞も受賞されている会社に出会うことがこれまでにもあり、同賞の存在は認知していました。

今回、その内容について理解させていただく機会を得て、目指そうとしている方向と人本経営普及活動の親和性を強く感じるに至りました。

日本サービス大賞は3年前に創設されていますが、設置されている賞は、内閣総理大臣賞に始まって、地方創生大臣賞、総務大臣賞、厚生労働大臣賞、農林水産大臣賞、経済産業大臣賞、国土交通大臣賞と日本の基幹を担う各省の大臣賞が付与されるという破格の設定になっているのです。

この賞が何故できたのか。

前提として提言されているのが、「スマートエコノミー」社会の創造です。当通信でも何度となく指摘してきましたが、生産年齢人口(15歳から64歳)が激減していきます。提言では、『生産年齢人口は、2015年から2045年までの30年間に、7,728万人から、約28%、2,143万人を喪失し、5,585万人まで減少すると推計されている。これは、現在の東京、神奈川、埼玉、千葉の生産年齢人口2,300万人に匹敵する規模の労働力を喪失することを意味しており、日本経済の本質的な課題は、「生産年齢人口の減少」にあり、常に、同一水準の経済活動に必要な労働力の獲得が困難になる「労働力喪失時代」を迎え、需要の縮退が急速に進む。それに対応できるよう経済社会のしくみを抜本的に変える必要がある。』と問題意識を明確にしています。

■過度な保護から革新支援へ、産業政策を転換する

さらに、『「労働力喪失時代」とは、大規模な「企業数減少時代」でもある。2040年までの間に、現在、約400万社ある企業の約25%にあたる約100万社が姿を消すという推計もある。この推計によると企業数は減るが労働力人口も減少するため、一企業当たりの従業員数は、平均15人程度と大きく変わらないとされている。このような企業数の自然減に、政策的に抗おうとするような対応は避けるべきである。この過程においては、世代交代によって、より革新的な経営への転換をはかり、より生産性の高い体制に移行する等、この企業数の自然減を生産性向上に向かう好機ととらえるべきである。』と踏み込んでいます。労働力が減り、人手不足に見舞われて事業継続が困難になる企業が増えているということも当通信で指摘してきましたが、この提言は、それは日本の経済社会が健全になるための適正化現象として捉え、これまでのような延命させる過度な保護をする産業政策から決別せよと進言しているのです。

そして、付加価値の源泉を「モノ」から「コト」「サービス」に国を挙げてシフトさせ、マクロを意識した成長戦略から国民一人の生産性向上をはかるスマートエコノミーを実現させようと展開しています。

■「人を大切にする経営重視」で結ばれた提言

提言は、最後に総括として『売上と利益を持続的に拡大させる「成長経営」から、多様なイノベーションによって生産性を持続的に向上させる「生産性経営」へと舵を切り、労働者一人当たりの付加価値向上に寄与する人材投資や研究開発投資、IT投資を展開し、サービスイノベーションによって顧客接点の質を向上させていくことは、ヒトを中心におき、ヒトを大切にする日本型経営を再構築することにもつながることになろう。』と結ばれています。

この提言を推進させていくために創設されたのが日本サービス大賞なのです。同賞では、『これまで誰も注目しなかった顧客層に着目したサービス、目の覚めるようなコンセプトを持つサービス、従業員の創意を生かす仕組みを持ったサービス、果敢にデジタル化に取り組むサービス、一気に全国に広がり、さらに世界を狙うサービス。そんな革新的で競争力を備えた価値共創の現場を見いだしたい。その革新のスタイルや発想を伝えたい。日本のサービス産業の生産性が低いのは、まぎれもない事実です。サービス産業や、サービス化を進める製造業、農林水産業が一斉にイノベーションを起こせば、令和の経済・社会はもっと素晴らしいものになるはずです。』と大賞委員長は呼び掛けています。

心から共感しました。そして、今後強く共鳴していきます。SVC、動きます。

会社、職場の企業風土・文化を幸福度増大を最優先に変革していきたい皆様に必ずお役に立つ内容です。
現在、これ以上の講師陣編成はありえないと思われる「人を大切にする経営」に寄与する独自のノウハウをもつ素晴らしいメンバーにご協力をいただけることになりました。
前へ前へと、これからの時代に進もうとする方のご参加をお待ちしております。
※第3講(9/26、10/17、10/31)のみの特別聴講も募集中です

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