第762号 「いい会社」になるための社員意識調査の実践法
2018.12.3
「いい会社」になるための社員意識調査の実践法
「いい会社」をつくることが、人手不足常態化時代に持続可能性を高めるための経営課題となってきました。そのために現状を解析する社員意識調査の必要性を前号で指摘いたしました。
人本経営を実践して「いい会社」をつくっていくために、どのように社員意識調査を行っていけばよいのか、ということについてご紹介していきます。
■人本経営における社員意識調査のあり方
調査票は、大きく問いの構成を2つに分けます。1つは、直感的に感じている社員の幸福度を探ります。もう1つは、個別設問を用意して、どういった点に組織的な強みがあるのか、また、ここを改善していけば幸福度が高められるという具体的な実践ポイントを探っていきます。
直感的に問う幸福度は、ズバリ「あなたは現在、仕事をしていて、また今の職場で働いていて、率直にどのように感じていますか。総合的に考えて当てはまる状態の番号に○印をつけてください。」とスケールを提示して(図1)、感じるところにマーキングをしてもらいます。5段階でよいのではないかという意見もあるでしょうが、7段階にすることで中心化傾向になることを避ける狙いがあります。左側の軸が「幸福度」で右側が「不満足度」という構成にしています。人本経営では、社員の不満をなくしていくことをもちろん意識していきますが、際限のない「満足度」を高めるのではなく、一人ひとりの「幸福度」を高めていくことが目的ですから、こういう設定になるのです。
■50の個別設問で、現在の会社組織の状態を浮き彫りにする
続いて個別設問になります。人本経営的視点から9つのジャンルにカテゴライズして、設問を50問用意し、現段階での自社の「いい会社」具合を探っていきます(図2)。そして、どういったところに強みがあるか、また、ここを改善していけば幸福度がさらに高まっていくという手掛かりを見つけていきます。
調査票では、各設問に対して「そう思う・まあそう思う・あまりそう思わない・そう思わない」の4択で回答を求めていきます。30分もあれば全問の回答は終わります。
さらに、「仕事をしていて気づいていること、感じていること、日頃思っていることを記入してください。」と自由コメント欄を設定していきます。カスタマイズ事項として、年代・所属部署・社員区分・男女など回答者のプロフィールを設定していきます。ただし、あまり細分化しすぎると回答者が特定できるので、出来るだけ大きな括りにします。小規模企業であればあえて設定しないこともあります。
調査はもちろん匿名で行い、各自で調査票を封印し、それを回収して第三者機関に分析を依頼します。
弊社では現在、積極的に社員意識調査の分析依頼をお引き受けしています。それがとても重要なことだと認識しているからです。調査票のサンプルがみたい、実際に実施してみたい、など「いい会社」になるための社員意識調査に関するご要望、お問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりどうぞ。
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