第740号 職場の健康・健全性を増進させるためのリストⅡ

第740号 職場の健康・健全性を増進させるためのリストⅡ

職場の健康・健全性を増進させるためのリストⅡ

引き続き、職場の健康・健全性を増進させるためのリストの解説をしていきます。

[意見があったときいったん受け入れている(それは違うと言下に否定していない)]

部下やメンバーから意見があったとき、その応対が対話になっているかどうか、ということです。自分の価値観に合わないと感じるときでも、切り捨ててしまうのではなく、なぜそう考えるのかといったん主観を外し、タメや間をおくことを意識していきましょう。

何でも言えることが組織の健全性をおおいに増進させる原動力になります。せっかくの意見具申を、それは見当違いとか、前例がないからとリーダーが切り捨ててしまうと、確実に発言は少なくなり、やらされ感が充満していきます。また、リーダー自身が見識を広げる機会を自ら放棄していることにもなります。自分とは違う意見だが、なるほどそういう見方や考え方もありかもしれないと判断の要素に加えていくことで、絶えず変化の芽を育てることができるのです。

よいコミュニケーションは、こちらの意見を押し通す討議型ではなく、相手の存在も引き出す対話型で叶うのです。

[挨拶は自分のほうから交わすよう意識している]

リーダーとしては絶対にありたい姿勢といえるでしょう。これが実践できるためには、忙しさから解放されている状態をつくる必要があるでしょう。そのために適切な権限移譲や付与をして、リーダーがいつまでも現場の実務や単純な仕事を抱え込まないようにしておくことが大切です。

部下、メンバーを信頼してどんどん仕事を任せていき、自分はサポートというコーチ役に徹するようにしましょう。そうすれば周りの動きが俯瞰できるような余裕が生まれ、自然に好感度の高い挨拶が交わされる職場になっていくでしょう。

[役立ちが実感できるよう配慮している(感謝状の共有やサンクスカードの実施など)]

幸せという、抽象的で目に見えない財産を蓄積していくことが、いい社風を形成していく鍵なります。究極の4つの幸せの一つ、「人の役に立つこと」が仕事の場面で発生したときに、そのファクトを見過ごすことなく、光を当てて職場で共有し、承認欲求を満たす取り組みを考えて実践していくことが、これからのリーダーにとって重要な仕事の一つといえるでしょう。

リラク(現メディロム)の「クレドポイント制度」東邦プランの「クレドの木」などは大いに参考になる事例です。ご自身の職場で継続してできそうな方法を考えていきましょう。

[尊敬や目標にしている先輩がいる]

このことはリーダーひとりで頑張ってもどうにもならない側面はありますが、少なくとも、過去に上司からしてもらってありがたかった、感謝しているという出来事は心にとめて、それを今度は自分が再現していくということはできるはずです。

逆に、いわゆる反面教師、過去にされて不快であったことや、自信喪失につながってしまったような上司の行動は、自分限りで葬り、絶対にメンバーには体験させないという心がけをしていくことも徳の実践になるはずです。

もちろん、尊敬できる先輩が実際に存在している職場であれば言うことなしです。

[後輩の面倒をできる限り見てあげたいと思うし、その余裕はある]

「恩送り」の文化が根づいている人本経営成功企業では、例外なく、後輩の面倒を数年先に入社した社員が心を込めて見ている、という光景をみることができます。まさしく企業文化ということになるのですが、ブラザーシスター制度のように、仕組化して一定期間、後輩の育成を担当するのもありでしょう。

物事を教えていくことは、吸収するよりも何倍も理解力を養いますし、自己成長のとても重要な場面になります。よって、現場があまりに多忙な状況になってしまうと、制度があったとしても機能不全に陥ってしまいます。

業務量と適切な人材配置、これには常に気を配っておきましょう。(以下、次号)

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