第733号 人生を好転させるプラス因子を意識する
2018.5.7
人生を好転させるプラス因子を意識する
稲盛和夫さん主宰の盛和塾の塾生が経営する会社が「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」でこれまで数社受賞をされています。京セラ、KDDI、日本航空で実証してきた経営の手腕は確かなもので、その経営哲学は人本経営実現においても拠り所となるところが少なくありません。とりわけご本人が人生の成功のための基幹の方程式としている「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」は物事の本質をこれ以上ないくらい指し示した金言ではないかと存じます。「熱意と能力にマイナスはないが、考え方にはプラスはもちろんマイナスまであり、心の持ちようによって結果は大きく変わってしまう」と説かれています。
人本経営を実現していくことは、問題のない会社をつくることではなく、問題が発生したときに人本的に解決していける風土をつくることに他なりません。まさしく、事が起きたときどう考えて行動していくかということなのです。人本経営を実現していきたい経営者、リーダーとして、どのような心構えでいることが考え方をプラスにしていくのか、検討してみることにいたしましょう。
■プラスになる考え方に至る心構え
No <プラスにするもの> <マイナスにするもの>
1 感謝 嫉妬
2 謙虚 傲慢
3 傾聴 独善
4 反省 慢心
5 客観 主観
6 日々の幸福感 足るを知らない満足感
7 肯定的解釈 ネガティブな発想
8 合意形成 少数意見の排除
9 任せる 抱え込む
10 思いを馳せる 心を砕かない
11 思考して行動 感情的に反応
12 良書を読む 週刊誌ネタに支配される
さっと思いつくまま表にしてみましたが、表の左側を意識しておくことで、けっこう日々の仕事や生活の場面で役に立つのではないかと感じます。1から5は、まさしく基本的な心構え、あり方です。常にこうした意識でいることで相手との関係の質は高水準をキープできていくだろうということが期待できます。
6も重要です。毎日、自己満足を求めるのではなく、人の役に立つ人生を重ねていくことで日々の喜びを感じていこうという姿勢で生きていけば、好転は間違いなしでしょう。
7も大事で、起きることをどうとらえていくか、とても厳しい現実であったとしても、それを乗り越えることで自分は成長していけると歯を食いしばるのと、なんで自分にばかりと自暴自棄になって背を向けていくのとでは結果は目に見えてきます。
8は、対話の重要性を認識させるものです。対話をしなければ周囲の賛同は得られないでしょうし、埋もれていた貴重な少数意見に気づくこともできません。
9もおざなりにできません。責任感が強いタイプほど自分でやり切ろうと抱え込んでしまいがちですが、それがにっちもさっちもいかない状況を生みだし、こんなはずではなかったという結果を生んでしまうかもしれません。仲間を信頼して頼る、任せる、その気持ちを忘れたくないものです。
10は、ゆとりです。目の前のことだけにとらわれることなく、ひと息間を取って先のことを推し量っていくことで相手との関係はさらに良くなることでしょう。
11は、感情に支配されない自分をつくることで、確かなパフォーマンスにつながるでしょう。
12は、テレビやマスコミから流れ出てくる情報はマイナス要因がとても多いので要注意です。
いかがでしたでしょうか。まだまだあるでしょう。ご自分なりのプラス発生因子を挙げて、確実な人生好転につなげていきましょう。
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