第726号 10年経った人本経営伝道の旅
2018.3.12
10年経った人本経営伝道の旅
ちょうど10年前のことです。
当時は求めていました。
なにせ気づいてしまったのです。
労働紛争の解決に明け暮れるのが人の専門家である社労士の姿でいいのか、そうではなく決して労働紛争が発生しない企業社会の発展に貢献できてこそ、人の専門家としての存在理由があるはずだと。
どうすれば紛争が起きない健全な職場が永続できるのか、答えを求めて書店に立ち寄る毎日でした。「これは良さそうだ」という本は片っ端から読破していきました。
そんな生活をしていた2008年3月、いつものように立ち寄った近所の書店で経営書のコーナーを覗くと、本棚にあった一冊の本のタイトルが目に飛び込んできたのです。
『日本でいちばん大切にしたい会社』――何とも和らいだタイトルでした。
しかし、当時の自分には“大切にしたい会社”というフレーズはドンピシャに求めているものでした。
その後、ベストセラーとなる同書は真っ赤な帯で有名ですが、世に誕生したばかりのときは白い帯だったのです。迷うことなく購入し、一気に読みました。そこで知ったのが伊那食品工業でした。
ただただ一心不乱に「いい会社をつくりましょう」と社是を掲げ、ひたむきに実践してきたら、寒天という斜陽の食品製造業で48年増収増益を達成した、ということが書かれていました。
「ほんまかいな」という疑念と、「こらすごいな」という驚嘆と、半々の気持ちが湧いてきたことを覚えています。
その後、すぐにタイトルがズバリ『いい会社をつくりましょう』という、同社の経営者である塚越寛会長の著書も購入しました。これも一気に読みました。
1ページ、1ページと読み進むと、これまでの中小企業の経営で当たり前とされていたような常識が覆され、本当に大切な経営における意味が、ビシビシと心と頭に入ってきました。夢中で読んでいたため、電車内で「うーん」と唸り声をあげてしまったことを今でも思い出します。それほど強烈なインパクトが与えられました。
ほどなくして伊那食品工業の現地へ赴くことが叶い、そこでの体験が、社労士としてのその後の人生を決定づけました。
残りの人生、社労士という職業を通じて、この伊那食品工業のような素晴らしい会社を輩出していくことに貢献していこうと心を決めました。
以来、ベンチマーク視察回数は638回を数えるようになりました。また、2冊の書籍を上梓させていただく幸運にも恵まれ、その書籍を通じての出会いなど新たなご縁をいただき、毎年毎年お役に立てるように仕事を進めてきました。
2015年から「人本経営実践講座」も開催し、直接、人本経営の指導をさせていただいている企業数も80社を超えようとしています。
人本経営を実践して成果を出し始めている会社から「こんなことがありました」と報告をいただくことも多くなりました。それはミラクルといっても差し支えないような出来事が多く、会社に関わる人の幸せ感を増大させていくことがこれほどまでに強力なのかと驚かされ続けています。
過ぎ去ってしまえば、もう10年経ったのかと、まさしく光陰矢の如しなのですが、自分の人生の年輪は、それまでの人生に比べて深く、そして愛にあふれて刻まれていきました。
恩師、坂本光司教授との出会い無くして、今の人生がないことは間違いありません。受けた御恩は、これからの人生で一社でも多く「社員を笑顔にして輝くいい会社づくり」でお返ししていくこと以外にはないと、この10年を総括しています。本当に坂本先生のおかげと感謝いたしております。
今週の17日、坂本教授の法政大学最終講義が執り行われます。心して出席する所存です。
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みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
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