第674号 変われ企業 戦後、最も経営者の選択が重要に時期なっている

第674号 変われ企業 戦後、最も経営者の選択が重要に時期なっている

変われ企業 戦後、最も経営者の選択が重要に時期なっている

改めてわが国で今起こっていることを数値で挙げてグラフ化すると、戦慄が走らざるを得ません(下図参照)。

1950年、終戦直後は多くの人が戦死したからでしょうが、25歳から34歳層が他の層に比べ凹んでいるものの、綺麗な正三角形の人口ピラミッドを描いていました。それが少子高齢化により100年かけてほぼ真逆の逆正三角形に劇的に変化していきます。2017年の現在はこのプロセスの最中で、つぼ型といわれる状態です。それでも冒頭の企業と労働者の減少が起きていて、これが25年ぶりの高水準といわれる1.42倍の有効求人倍率を記録しています。

バブル経済が崩壊し、「失われた10年」といわれたのが2000年、さらに10年経ち「失われた20年」ともいわれました。しかし、さすがに2020年に「失われた30年」と指摘する識者は存在しないでしょう。右肩上がりに経済成長するための生産年齢人口の減少は明白で、これはもう失われたのではなく、新しい現実なのですから。

企業寿命30年説ということは元来から指摘されていたところですが、まさしくこれから30年間、多くの企業は生死の境を歩んでいくことになるのです。経営者が何を考え、どう行動していくか、これがこれほど大きな意義を持ち始めた時代は戦後初といえるのではないでしょうか。

■生き残りではなく生まれ変わること

人気マーケッター、経営コンサルタントでベストセラー作家の神田昌典さんは語ります。

「これまでは、経営力を高めることにより、同じ地域で仲良く生き残れてきた会社も、2025年以降は、熾烈な食い合いを始める。既存の市場で残るのは、本当に強い、ほんの一部の会社だけになっていくことは火を見るより明らかである。

これだけの大変化は、江戸時代から明治時代へのシフト、太平洋戦争終戦前から終戦後へのシフトに匹敵するほどだ。武士や軍人が役割を終えたように、たった10年間で多くの職業が消えてなくなる。

これほどの歴史的変化が、5年後から本格化する。だから重要な問いは、どうしたら生き残れるか?ではなく、これから5年のうちに、どうしたら会社は生まれ変われるか?なのである。」

■幸いにもその答えがある

失われた10年といわれた2000年前後に、この抗いがたい社会環境の大変化を察知して、既存の価値観であった経済至上主義の業績軸ではなく、これからの時代に持続可能性を高める幸福創出目的の幸せ軸の人本経営に経営をパラダイムシフトさせた企業が、今、あらゆる業界で燦然と輝き出しているという事実です。彼らは、働き方改革が叫ばれるとっくの昔から、長時間労働の是正や多様性のある働き方に成功を収め、社員が辞めない会社、新人があこがれて入社してくる会社、そしてお客様に必要とされる会社を実現してきました。歴史的変革期の今、幸せ軸で人本経営に成功した先駆的企業をベンチマークすることは、極めて価値のある経営課題となっていると改めて身を引き締めています。

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