第1005号 「関係の質」の最上の姿とは

第1005号 「関係の質」の最上の姿とは

「関係の質」の最上の姿とは

人本経営まつり2023の余韻冷めやらぬ中、先週は大阪、岐阜で人本経営の伝道をしてきました。

大阪は同イベントのメインゲストでお迎えした暮松邦一社長の株式会社ヘッズで
「社風をよくする研修」の講師&コーディネート。
もう十分に人を大切にする経営が浸透していると傍からは感じられていることでしょうが、
上質な水準で社員間の関係の質を向上させ続けていくことに余念がありません。

いい会社づくりには終わりがない

こう説き放ったのは、人本経営の最高峰、伊那食品工業の塚越寛さんでした。
自身の経営を年輪経営と称し立派な大木になれるようにと悠久の時を刻んでいます。

樹齢千年以上とされ御神木と崇められる霊験あらたかな大樹も今日も養分を蓄え成長を止めていません。
それを止めると中から腐ってしまうからです。本当に企業も同じだとつくづく感じさせられます。

そして、同じ日の夜は、GCC(グッドカンパニークラブ)の月例会でした。
ゲストには神奈川から日本一のダイビングスクール、パパラギ(株式会社テクニカ)の
松本行弘社長にご登壇いただきました。

やはり人本経営が行き届き、社員一人ひとりが主人公となって、
職業人生を謳歌している様がありありと伝わってきました。
その結果が、現メンバーのなんと8割が元お客さまという信じがたい現実でした。

これまで840社のいい会社ベンチマーク視察を重ねてきました。
取り組みの素晴らしさにファンになり、
そこの商品をリピートし続けているということはよくあることですが、
その会社で働いてみたい、そして実際にそういう行動をしようと思えたことはほとんどありません。
大好きな趣味が仕事になるという特殊性はあるとはいえ、
お客さんが社員になりたいと引き寄せるパワーは並大抵ではありません。

社員が仲間になっているか

松本社長に、「どうしてお客さんが、そんなに社員になるのでしょう?」と尋ねてみました。
すると「仲間に加わるという感じです」と返答がありました。

お金を払ってもらっているお客様から、お金を払う社員にする、
それもこんなにも大勢そういう事案がおきることは、経営者として複雑なのではないかと思案しました。

しかし、松本社長は「お客様が社員になりたいといってくれると嬉しくて断れない」と明快でした。
これまで一人も採用を断ったことがないそうです。
お客様が社員になる、これが実現したら、確実に人を大切にする人本経営の
「いい会社」が実現したと見立ててよいのではないかと、また一つ指針ができました。

経営者が本気にならなければ変わらない

大阪で2日活動したのち、そのまま名古屋経由で岐阜入りしました。
飛騨高山のホテル、旅館業に人本経営を伝道させていただくためです。
やはり人本経営まつり2023にご登壇いただいた
リクルートライフスタイルCSカレッジ長の山田修司さんプロデュースの行政の仕事です。

宿泊施設における人出不足解決セミナーと銘打たれ、
スタッフが辞めない、そして働きたくなる職場づくりをどうしていくかを
気づき、考え行動に変えていってもらう6か月のプログラムです。
当方の役割は言うまでもなく人本経営の伝道、これ以外にありません。

参加者は、人本経営は素晴らしいあり様で共感したという方がほとんどです。
しかし、残念なことに参加されている方は、
総務や人事のいわゆる管理本部の中間管理職の方が多かったのです。

いい人材の採用、社員の離職を防ぐ、生産年齢人口が激減し続ける今、
この命題はこれから会社が持続できるかどうかの最重要の経営課題です。
解決には経営者が先頭に立って率先垂範しなければならないはずです。
自らが幸せ軸の経営の体現者として、社員に希望を示すことをせずに、
会社は良い方向に変わるはずがありません。
人を大切にする経営の学びの場には真っ先に経営者にきてほしいと切に願います。

勉強会の翌日、いくつかの参加企業の施設に訪問をさせていただきました。
前述したとおり、840回のいい会社視察を重ねておりますから、
その会社に入った瞬間に「この会社はいける」とわかります。そのホテルもそうでした。

参加されていたのはマネージャーという肩書でしたが、実質の経営者でした。
そしてこう言い放つのでした。
「あのスタッフはお客さまとして泊まりにきたことがきっかけで社員になったのです」

聴けば、丁寧に社内対話をして、
スタッフが現場で仕事をしやすいようにサポートに徹しているとのことでした。
学んでいる経営者は学び続け、学ばない経営者とどんどんますます格差が広がっていくに違いありません。
経営者の皆さん、幸せ軸の経営を学び続けましょう!

【お知らせ】――――――――――――――――――――
おかげさまで新SVC通信は、発刊1000号を迎えることができました。

これを契機に、さらに人を大切にする人本経営について
伝道していく使命を色濃くしていきたいと考えています。

つきましては、しばらくの猶予期間を経て
今後は以下の配信申し込みをしていただいている方限定で
配信させていただくことを予定しております。

バックナンバーも同時に限定化していく予定です。

まだ配信登録されていない方は、
これを機にご登録をしていただきますようお願いいたします。

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