第979号 遂にグーグルも大量レイオフへ 巨大テック企業に何が起きているのか
2023.3.6
遂にグーグルも大量レイオフへ 巨大テック企業に何が起きているのか
心理的安全性という言葉をバズワードにしたり、
CHO(チーフハピネスオフィサー)を設置したりするなどしてきた、
あの超優良企業グーグルで大量レイオフが始まりました。
米国のテック企業のリストラの嵐はすさまじいですが、
とうとうグーグルよオマエもかという落胆させられる出来事が起きてしまいました。
ワンクリックで解雇なんて…Google日本法人で初の労組が結成 巨大IT企業で続々起きる新たな波
グーグルは昨年約8兆円の利益を上げ業績好調なはずだが
今年1月、全世界で1万2000人を解雇すると発表。
日本法人で働く従業員らが、同法人では初めての労働組合を結成した。
グーグルはこれまで、社の行動規範に
「Don’t be evil(邪悪になるな)」や、
「Do the right thing(正しいことをしよう)」と掲げてきた。
男性は、「誰が解雇の対象になるのかも分からず、情報がなさ過ぎる。
グーグルのやり方は、かつて掲げた行動規範からはかけ離れている」と語る。
~以上、引用
【全文公開】日本のグーグル社員に通達された「退職パッケージ」連絡
通知期間:90日間の通知期間中(契約上の通知期間を含む)、給与が支払われます。
2023年3月2日から5月31日まで、通常の給与支払いサイクルに従います。
退職金:2023年のモデル給与(基本給)をベースに、
勤続年数1年ごとに1カ月分の基本給(ただし、勤続年数3年未満の従業員は3カ月分の基本給を受け取る)
+3カ月分の追加基本給を受け取ります。
●早期署名支払い(Early Signing Payment):本日から14日以内、
つまり日本時間3月16日午前7時までに本契約に署名することを選択した場合、
追加の支払いを受けることができます。
早期署名支払いが適用される場合、9カ月分の基本給が一括で支払われ、
パッケージの一部として扱われます。
~以上、引用
記事をよく読むと、見出しにあるような突然解雇通知をしている訳ではありません。
早期希望退職を募っているということです。
3か月は雇用を保障し、3か月の解決金を支払う、
さらに2週間以内に応じたらさらに3か月分、上増しするという内容です。
一般的には、退職勧奨の条件としては、かなり厚遇だろうと思います。
しかし、社員は、これまで人を大事にするとしてきた
グーグルの企業文化から逆行すると動揺し、
労働組合を結成、戦いが始まろうとしているのです。
テック企業に何が起きているのか
巨大企業の相次ぐリストラニュースを聞くと、
今後、とてつもない大不況がやってくるのではないかと
戦々恐々となってしまいますが、
今、なぜ彼らが大量リストラに踏み出しているのでしょうか。
ツイッターの新たなオーナーとなったイーロン・マスクが11月上旬、
従業員の半数を解雇し始めると、
同社の共同創設者で元CEOのジャック・ドーシーは自らの責任を認め、
こうツイートした。
「私は会社を急拡大しすぎた」
そして今月9日、フェイスブックとインスタグラムの親会社であるメタが
従業員の約13%にあたる1万1000人を削減すると発表したとき、
CEOのマーク・ザッカーバーグは行きすぎた事業拡張の過ちを認め、
従業員向けのレターにこう記した。
「私は投資を大幅に増やす決断をした。
残念ながら、私が期待した結果とはならなかった」
急増する解雇は半ば自ら引き起こしたものでもある。
利益の急増を満喫していたテック企業は、
パンデミックの巣ごもり需要がもたらした好景気が続くという思い込みから、
ソフトウェアビジネスで最も争奪が激しい
「人材」という貴重な資源を大量に抱え込むことで、
事業を積極的に拡大した。
~以上、引用
コロナ禍でリモートワークなど定着し
新たなニーズになるという思い込みが
最大のビジネスチャンスと経営判断を狂わせ、
急成長、大量雇用という不自然な状態をつくったために、
その揺り戻しがやってきたということでしょう。
巣ごもり需要はあくまで緊急避難的で、
それが恒常的になる訳ではなかったということなのです。
言ってみればパンデミックバブルです。
こうした中、レイオフしないテック企業があります。
アップルが大量解雇しない理由、グーグルやアマゾンと違う経営の質
新型コロナウイルス禍を背景とした採用ラッシュが続いていた時期も、
アップルは他の大手ハイテク企業に比べて
人員の規模を拡大させなかった。
アップルの経営が他のハイテク企業に比べて優れていることを示すものだ。
他社はパンデミック時のシグナルを明らかに読み間違えた
~以上、引用
まさしく、身の丈で確実に安定的に成長していくことの正しさを
今回の事態は露わにしているのではないでしょうか。
それを旨とする人本経営の確かさ、素晴らしさを改めて再認識させられるのです。
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