第829号 緊急支援策「雇用調整助成金」速攻理解 改正編
2020.4.11
緊急支援策「雇用調整助成金」速攻理解 改正編
【緊急対応期間(令和2年4月1日から6月30日)限定「雇用調整助成金」活用法 2020.4.10時点】
厚生労働省から発表があり、4月10日に雇用調整助成金の制度及び手続きルールが再び緩和されました。
基本として先週の828号「制度編」、828号の2「手続き編」をふまえていただき本号をお読みください。
「制度面」で緩和された点
〇「休業等実施計画書」の事後提出の期限が、令和2年5月31日から6月30日まで認められることになりました。
[Point] 要するに、緊急対応期間としている6月30日までに計画書を出してくれれば、4月以降の休業は助成金の対象になるということです。早めに助成金を受けたいという場合には、今月、つまり4月中の賃金締切日を基準にして支給申請を進めていくことが出来ますが、その場合には、その段階で計画書の提出も求められてくることが想定されますから、実効的にはあまり意味がない緩和かと思います。
〇対象となる休業の規模が、丸1日の休業プラス1時間以上の休業の休業規模が全体(全労働日)の1/20(大企業は1/15)以上から1/40(大企業は1/30)へ拡充されました。
[Point] これもあまり大勢に影響はないです。比較的休業をさせていない事業所でも活用ができるようになりました。ざっくりいうとひと月に半日でも休業があれば助成金の対象になるというイメージです。
「手続き面」で緩和された点
〇手続書類、添付書類の簡素化
今回の緩和は、この雇用調整助成金の手続き面での変更点が最も意義があります。助成金行政においては、細かくガチガチな申請ならびに添付書類が必要で、社労士等に代行を依頼せず、企業内で手続きしようとするときには「骨が折れる」「やってられない」「非現実的」といった悪評がつきものですが、これに大ナタをふるった格好です。確かに様式等がだいぶ変わり、簡便化しています。先週まで有効であった828号の2「手続き編」の様式でももちろん受理はされますが、これから用意しようとする場合には労力がだいぶ減らせるように感じます。ただ、手続きは生き物で、実際やってみないと不明瞭なところもありますので、文字通り簡便になったと捉えると期待外れになったりすることも踏まえつつ、新手続書類について紹介をいたします。
<前提条件> 4月1日以降にコロナ影響による休業を実施し、休業等実施計画書を支給申請時に提出する
賃金締切日後、以下の申請書を作成することでよくなります。
・休業等実施計画書 様式第1号 (1)(H31.4改正)
・雇用調整実施事務所の事業活動の状況に関する申出書 新様式特第4号(R2.2)
[Point] 休業計画一覧表が不要になりました。ただ、休業日数を算出する際には何らかの形で休業者ごとの休業日を明確にしておくことは必要になります。
・支給申請書・助成金額算定書 新様式特7号、8号
・休業・教育訓練実績一覧表 新様式特9号
・支給要件確認申立書 新様式特6号
※各様式は以下のサイトからダウンロードできます。
雇用調整助成金の様式ダウンロード(新型コロナウィルス感染症対策特例措置用)
※雇用保険に加入していないパート、アルバイトの申請もする場合は別の申請書が必要になります。こちらの【雇用保険被保険者以外】様式を使用することになります。
添付ならびに確認書類
休業協定書/労働者代表選任届/年間休日カレンダー/事業所の規模を確認する書類 登記簿謄本又は労働者名簿及び役員名簿
※様式見本はこちら https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/mokuteki_naiyou/jyosei/kotyokin.html
添付書類等は、都道府県の助成金受付窓口によって、要求水準が異なることが往々にしてあります。各窓口でチェックリストという書類が用意されています。申請する窓口でこれを入手して、準備をしていくことが効率的な対応となります。これらの書類や要求水準についても統一、簡便化されることを期待します。
とりあえず、以上が2020.4.13現在の最新情報です。
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