第912号 トップが思っているだけでなく、社員が感じているか

第912号 トップが思っているだけでなく、社員が感じているか

トップが思っているだけでなく、社員が感じているか

今週は考えさせられる記事が2点あったので、
それを引用して大切なことを考えてみたいと存じます。

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社員を「人財」と呼ぶ企業は少なくありません。
本当にそれだけ大事な存在として扱っているのか?
具体的に話を聞くと、育児休業の取得拡大や残業削減に取り組むケースは多くあります。
その一方で、離職率が高い、従業員満足度調査の点数が低いといった課題が顔を出したりも。
発信している内容とのギャップを感じざるをえません。
不満や離職が増加している”人財企業”の話も耳にします。
社員を大切にする会社は働きがいがあるかもしれませんが、
働きやすいとは限らないということです。
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これは、確かにそう感じることがあります。
人を大切にするといっていながら、そんなことするの?という疑問や、
人本経営に共感しているといいながら、実際、行動できていないのでは?
とこれまでも経験しました。

結局、経営陣が、「うちはいい会社にしている。できている」
と言っているだけでは無意味なのです。
社員が本当にそう感じているかどうか、これがすべて。

弊社でもサービス提供していますが、社員意識調査はぜひ実施してもらいたいものです。
その結果が確かに人本経営といえる結果になるのだったら経営陣は胸を張っていいと思います。
実際に調査して結果をみると、
現実はかなり経営者が思っている状態と乖離していることがままあります。

ここでまた問われます。「調査なんてやらなきゃよかった」と放置するケース。
人間ドックを受診して、体の健康にイエローランプが灯っているのに放置しているのと同じ。
これでは、会社はよくなっていかないのは明白です。

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従業員のためを装いながら、僕は売上のことしか考えていませんでした。
本来であればいちばんの味方であり、もっとも大切にすべき従業員たちを、
小間使いのように扱っていました。
経営者である自分は「お客様のためならば何をしてもよい」とばかりに振る舞っていました。
そんな僕の、醜い心の内を見透かしていたのでしょう。
だから、従業員たちは飯田屋から去っていきました。
いい会社をつくっている気になっていただけで、会社を内側から壊し続けていたのは、
安売りに走ったときと同じく、ほかならぬ僕だったのです。
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もう一つの記事、先の記事のリアル版みたいな社長の回想。
お客さんから引き合いが増えてきたことで「いい会社」になったと勘違いして、
社員との関係の質がどんどん悪くなってしまったという。これもよくあります。

(1) 給与の改善
(2) 休暇の増加
(3) 福利厚生の充実
(4) 働いていることが恥ずかしくない

社長は、この4条件が「いい会社」の条件だと考え、そうしたそうです。
しかし、それは社長がそう思っているだけで、
社員たちは、それで「いい会社」だとは感じておらず、
社長曰く、「もっとも大切にすべき従業員たちを、小間使いのように扱って」いたため、
社員たちは「あなたと働きたくない」と捨て台詞を残し大量に去っていったのです。

伊那食品工業の塚越寛さんはおっしゃっていました。
「社長が自身の利益を優先に考えているのなら、
どんなにいいことを言っても見透かされる。それでは社員の心は動ない。
本当に自分たちの幸せの充実を考え、行動していると心を合わせてくれる」

この社長は「従業員のためを装いながら、僕は売上のことしか考えていませんでした。
そんな僕の、醜い心の内を見透かしていたのでしょう。
だから、従業員たちは飯田屋から去っていきました」
と塚越さんが指摘したとおりの悔恨の述懐をしています。

今、パワハラ対策について、対症症療法でなく、
人間力を重視した組織風土、支援型リーダーの養成といった
人を大切にする経営人事マネジメントの不断の実行が本質的大事だとお伝えしています。
すると、それが大切だと共感をしていただけます。
ですが、本当に社員、メンバーはその状態が実現できていると感じているでしょうか。

ミスマッチがあると、思わぬ事態になりかねません。慎重に用心してほしいと願います。
そのためにも一度、社員意識調査を実施されることをお勧めいたします。

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