第904号 最近、相談されていること

第904号 最近、相談されていること

最近、相談されていること

先週、ある経営者の方から、
「人本経営を指導されている会社の皆さんから、
ここ最近で相談を受けるベスト5といったらどんなことなのですか」
と尋ねられました。

思いもかけなかったご質問ですが、咄嗟に応えていました。

最近の相談事例1 多様性のある人事のあり方についての相談

テーマとしては、フレックスタイム制や裁量労働制、事業場外みなし労働時間といった
労働基準法に関連する労務対応についてのご相談ということになりますが、
この案件は割とタイムリーにあります。

相談の趣旨は、会社が合法的に人件費を削減できるような
後ろ向きな人事労務施策についての相談ということではありません。

人本経営が浸透していき、性善説で働き方を個々の社員に委ねていくにつれ、
とても多様な働き方が広がっていきます。
そのプロセスで、既存の枠にとらわれないで、このような労務マネジメントはできないだろうか、
あるいは、今の課題を解決できる方法はあるだろうかといった類の相談です。

労働基準法は前近代的な坑内労働の現場における
最低の労働条件を法的に定めた法律というのが立法趣旨です。
したがって、通勤を要しなくなったリモートワークをしている労働者など全く前提にありませんので、
新しい労務マネジメントをしようとすると
いろいろと法的な制限にぶつかることが往々にして生じてきます。

出来るだけ柔軟に、それでいて違法性を問われないように助言指導をしています。
場合によっては、以前に当通信でご紹介した「タニタの働き方改革」のように、
社員の独立支援をサポートするあり方も視野に入れて、
今の時代にふさわしい社員も幸せで、
会社にとってもメリットのある働き方を成立させることにチャレンジするクリエイティブな仕事です。

最近の相談事例2 人事考課制度

人本経営が相当に浸透し、かなり人を大切にする企業風土が浸透した会社で、
人事考課制度の導入支援をしてほしいという相談案件がありました。

評価制度、賃金制度は極めてセンシティブなテーマで、
成果主義のような人事制度はあまり考えないほうがいいとご指導をしていきますが、
いい会社をつくった経営者は自分が一線を退いた後、
後継者が困ることのないように仕組化をしておきたいというご要望をお持ちになられるようです。

お気持ちはとてもよく分かりますので、
社内の人事セクションが主体的に社長の思いや経営理念を伝承できる人事制度を構築していけるように
サポート役に徹しています。

10年以上人本経営を指導してきた会社で、今、まさにこれにトライしていて、
とてもいい形ができつつある事例が誕生しています。
ノウハウとして確立できるよう精進をしています。

最近の相談事例3 高齢者に対する処遇

法律的に70歳までの就業確保措置の改正が行われていることもありますが、
多くの企業では社会同様に社員の高齢化が顕著に進んでいます。
定年60歳となっても社員は、まだまだ十分に働くことができます。
一昔前の50歳といって過言でないでしょう。

そのように働き盛りで定年に達してくるという現実、
働くことの幸福感とそれをどう処遇していくかということについて、
心ある経営者は単に法改正の問題でなく、どうしたものかと悩まれることが多いようです。

最近の相談事例4 適応障害系社員とパワハラ

人を大切にする経営が、いい感じで進んできている職場でも、
一定割合でアスペルガー症候群のような
周りの社員とのコミュニケーショントラブルで悩む社員が出てきてケースが生じてきます。
問題行動に対する指導を誤るとパワハラになってしまうのではないかとやや神経質になられて、
どうしたものでしょうという相談です。

一般的なパワハラ対策についてもちろんご指導しますが、
適切に主張し相互に受け入れる対話のあり方についてコーチングさせていただいていきます。

そのほかには、定番ですが、
よりよい組織風土にしていくための仕組みづくりに関するご相談も
コンスタントにいただいています。

どんなに「いい会社」をつくったとしても、
問題が起きない状態をつくることはできません。諸行無常です。
大切なことは、起きてくる問題を、人本経営がより浸透していく方向に解決できることを
ぶれずに継続してできる会社になっているということです。
それがなんといっても大事なことです。

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