第902号 業績軸から幸せ軸へ 簡単ではないが挑戦はあきらめない
2021.7.26
業績軸から幸せ軸へ 簡単ではないが挑戦はあきらめない
それ、本当にブラック企業? 日本社会に誤って広がる「ホワイト企業信仰」が迎える末路
「何を重視するか、そしてどんな切り口で捉えるかによって
「いい会社」「悪い会社」の評価は真っ二つに分かれるのだ」
こういう記事が書かれるように、
世の中は「いい会社」ということについて
注目が集まってきているととらえたいと感じます。
この執筆者の言いたいことを要約します。
・株主にとって「いい会社」でも、社員にとって「いい会社」でないケースや
社員にとって「ブラック企業」でも顧客には受けていて増収増益を続けている企業もある
・何をもって「いい会社」「ホワイト企業」は人それぞれ
・巷で言われている「ホワイト企業」が本当にいいか、ブラック企業だから悪いかは一概に言えない
といったところでしょうか。
人本経営は幸せ軸
ステークホルダーは利害関係者と訳されていますが、
まさしく企業経営に関わる人は、利害がからんできます。
ですから、基準が大事で、
人本経営では、業績軸でなく幸せ軸で、経営を考えていくとしている訳です。
この執筆者は、業績軸と幸せ軸を混同させているものだから、
何が重要であるのかみえてこないと混乱しています。
業績軸でとらえれば、急成長して、いち早く株式市場に公開する企業が評価されることになるでしょう。
しかし、幸せ軸であれば、急成長して上場したとしても、
長時間労働状態が激しく、離職率が10%超えているような企業には眉をひそめます。
いまだ世の中自体、業績軸が支配的であることは間違いありません。
このことは、毎日、NHKのニュースで株価が報道されていることでも明らかでしょう。
そして、顧客も利便性や価格で消費行動を選択し、
あまりその会社の社員の幸福度がどうかということは考慮されていないでしょう。
しかし、そろそろ社会にとって「いい会社」であるということを、選択肢の軸としたいものです。
米国の事例ですが、あのアマゾンでの労務管理の実態が報じられていました。
離職率が毎週およそ3%、
休暇を申請した従業員が無断欠勤で処罰され、職場放棄という理由で解雇されている、
というにわかに信じがたい、あまりにも人を大切にするどころか、
粗末に扱っている事例が紹介されていました。
確かに、アマゾンは世の中に、便利を提供しました。
しかし、その実態が人を大切にしていない経営に成り立っているということを知った以上、
消費者としての行動を改めたいと考えます。
社会にとって、「いい会社」とは、やはり、人を大切にする会社です。
人が尊重されない社会は、暗黒社会であることは明白だからです。
業績軸から幸せ軸へ、世界が変わっていけるのか、
目先の利益に抗っていくことは簡単ではなく、その道はとても険しいものでしょう。
それでも、人を大切にする経営の大事さ、重要性をこれからも伝え続けていきたい。
人を幸福にして、素晴らしい結果を出し続けている会社がある限り。
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