第889号 実録 これが「自走する組織」の社員像

第889号 実録 これが「自走する組織」の社員像

実録 これが「自走する組織」の社員像


社員一人ひとりが主役となり、経営者のように最大パフォーマンスを上げられ、社長がいなくとも自走していく組織をつくることが人本経営の成果だと、今、はっきりと認識しています。

これからご紹介する事例は、実在する企業で、今、起きていることです。

経営者と経営幹部が6年前の2015年に開講した「人本経営実践講座」で学び、試行錯誤しながらも、ぶれずに一人ひとりの社員に向き合う人本経営のあり方を自社なりに実践し、実現していきました。

■思いに共感する社員の採用に成功

業績軸から幸せ軸へ、経営のあり方を変えることを決断した同社は、求人広告の内容を刷新しました。「2016年5月から社員とその家族の幸せを一番に考える人本経営に取り組んでいます。お客様第一主義の前に社員とその家族が幸せでなければならない。そんな社風に共感していただける前向きな方の応募をお待ちしています。」と打ち出しました。迷いがないからこそ、実現できたことにほかなりません。

そして、この求人広告にひかれてYさんが入社してきました。人を大切にする人本経営について、素直にいいなと感じたそうです。入社後、以前の会社のような窮屈さがないことをすぐに感じ、毎日、生き生き楽しくなっている自分がいることに気づいたそうです。

■人本の文化が風土化し自走し始める組織

幸せ軸の経営をトップが打ち出してまだ間がない段階でしたから、会社が目指そうとしていることと現実にギャップがたくさんあるとYさんは思ったそうです。同時に、会社として出来ていないこともあるが、むしろ出来ていないことがたくさんあるから、そこに自分の出番もあって使命を感じるし、むしろ楽しいと思えたといいます。同社では、最初に経営者が人本経営を学んで以降、管理職も毎年数名のメンバーが「人本経営実践講座」を受講し、学ぶことを繰り返していきました。普段の職場でも「人本」という言葉が先輩の間では交わされていて、Yさんもいつか学んでみたいと興味をもつようになりました。

入社して4年目、Yさんは管理職のポジションが与えられることになりました。管理職といっても、主任、係長クラスの初級新任です。しかし、人のうえに立つ立場になったからには、本格的に人本経営を学びたいと会社に志願し、2020年から「人本経営実践講座」に参加し、先月、10か月にわたる学びが修了しました。

「メッセージ性の強いコンテンツで自分の中に感覚として残った。人を大切にする経営のあり方を肌で感じ、そして頭で理解してやってみやすい。」というYさんに今を語っていただきました。

「幸せになる為に働く人生こそ、幸せな人生ではないかと自分の中での結論に至った。だから自分は今、幸せです。」

今日一日、また役立ちができた、周りとの関係の質を向上できた、という実感をもつ人生を重ねることこそ、まさしく幸せです。幸せになる方法はない、幸せな生き方があるという極めて重要な人生の極意をすっかり身につけられたようです。

■目覚ましい業績への反映(結果の質の向上)

他社との価格競争に競り勝つ業績軸ではなく、顧客と利他の心で関係性を高めて喜んでもらう幸せ軸で、実際に工夫して仕事を進めていったところ、このコロナ禍にあって取引先での売上が倍増するという結果をもたらすことができたそうです。また、仲間との関係の質を高めていく重要性を学び、支援型リーダーとして求められる行動を実践していったところ、部下はやる気に満ちて頑張ってくれるようになり、信頼関係ができることでより今まで以上に頼られるようになったと実感しました。その結果、今、自分の部下は最高のメンバーだと思え、さらに支援していきたいと語られています。そして、今後は自部門だけでなく、他部署の仲間に対しても利他の心をもって接する事で、より自分が関わる関係者との関係性を高めていき、その結果、業績向上、居心地や働きやすさもさらに向上させて、自社の強みを明確にし、妥協せずに伸ばしていきたいと目を輝かしています。それはもうすでに人を大切にする人本経営者の目だと感じました。

このようなYさんのような社員が、次から次へと育っていくのですから、組織は自走していかない訳がありません。これが人本経営を浸透させていくことの醍醐味であり、また経営者としての妙味を満喫するということなのではないでしょうか。改めて口にさせていただきます。人本経営は最高です!

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