第873号 「人本経営実践講座」を企業で初開催した宮脇社長直撃インタビュー
2020.12.21
「人本経営実践講座」を企業で初開催した宮脇社長直撃インタビュー
人本経営実践講座は、大阪でも今年6期を数える開催となりました。その6期に、社員を10人程度送り込んでもいいだろうかという打診がありました。それはもちろん構いませんが、それだけの母数があるのなら、企業単独で開催することも検討しますよという展開になり、とうとう企業単体で人本経営実践講座を開催した会社があります。大阪は西成で鋼管業を営んでいる宮脇鋼管株式会社さんです。それは凄いということで新聞記事にまでなりました。結局、管理職を中心に27名のメンバーで開催することとなり、先週までで全10回のカリキュラムのうち7回までが実施されました。
会社がどう変わってきているのか、ぜひお聞かせいただきたいと宮脇健社長にインタビューをさせていただきました。今週号では、それを特集いたします。
◎今回、企業単独で人本講座を実施することを決断された理由をお聞かせください
自分自身、東京の4期に通いました。その後、2人の経営幹部にも受講してもらっています。人本経営は、未来永劫発展していくために、すべての企業が取り組むべき根底や大前提の土台づくりの部分と認識しています。自分自身が学び、その大切さを知ったので会社に広めたいと伝えていますが、うまく伝わらないもどかしさを感じていました。それならば、直接、小林先生に伝えてもらい、社長が言っていることはそういうことなんだと理解してもらおうと考えたからです。偶然に「いい会社」になることはない。勉強しないと得られない。学ぶしかないのです。そして時間がかかることだとわかっているから、一気に進めようと思ったのです。
◎今、どんなことを実感されていますか?
参加している管理職の社員の理解が、非常に深まってきていると感じています。頭でなく、体でわかってきています。腹落ちしているという感じです。それは、幸せになれる「あり方」「やり方」が講座で手取り足取り、こうすれば取り組めると提示されるため、行動実践につながっているのでしょう。朝礼などでも、クレドを唱和するだけでなく、例えば、お客様への接し方で、どうすればもっと喜んでもらえるか、困りごとを解決できるか、具体的にメンバーが発表できるようになってきました。以前なら適当に流している感があったのですが、そういうのがなくなりました。
また、組織も上位下達の風土から、逆ピラミッド的に、上長が部下を支援、援助するようにリーダーの立ち位置が変わってきました。部下、メンバーの意見を促し、それを取り入れていくことで、いい刺激、よりよい仕事のためのヒントになっています。
◎今年のコロナ禍に改めて思うことはありますか?
もし、人本経営に出会えていなければ、今年どうなっていたかと思います。緊急事態宣言があったとき、社員には「雇用は守る」とすぐに宣言することができました。おそらく人本経営を実践していなければ、これを伝えることはできなかったのではないかと思います。そうした行動で、社員は安心感を感じてくれて、将来に対する希望を持ってくれているように感じます。今年の上期、4月から9月は赤字になりましたが、10月から12月の第三四半期は、3ヵ月連続黒字で業績も回復してきました。ピンチはチャンスと一枚岩になれた人本経営のおかげです。
◎今後の抱負についてお聞かせください
社員みんなが、人本経営っていいと実感し、社員が自発的に、家族や友人や他の会社の人に「宮脇で働けてすごいハッピーになっている」と伝えられるように、そして、「うちで働かないか」と言ってくれるような社風にしていきたいです。
インタビューを終えて、改めて人本経営に出会えてよかったという喜びと、それを伝える仕事を社労士として実践していることに誇りが湧きました。社会の隅に人本の炎を燈し、国が、世界が照らされるよう、これからも精進していきます。
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