第814号 この10年間、そして、この先10年後

第814号 この10年間、そして、この先10年後

この10年間、そして、この先10年後

2010年代が閉じ、2020年代が訪れます。

節目の今週号では、この10年を振り返り、そして2030年までの10年を展望してみたいと存じます。

2010年、「元気な社員がいる会社のつくり方」を上梓。これを機に、人本経営を指導する仕事が誕生し、本格的に人本経営伝道の道を歩き始めていきました。企業での研修に加え、国や自治体での講演や啓発事業、調査も増えました。文字通り、天命を全うする思いで歩み続ける10年の始まりの年となりました。

2011年東日本大震災が発生。直後の通信378号で、私たちが、今、考えなければならないことは、今の自分の仕事で真に世の中をよくするために、役に立っていくことだと全身全霊で「人本経営のすすめ」に邁進していくと誓いました。

2012年「いい会社」を世に増やすための顕彰事業となるべく四国経済産業局長賞「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」の創設指導にあたりました。同賞は来年9回目となります。地域の片隅で社員を幸せにして顧客からも選ばれ続けている多くの会社に光を当てることが出来たことはこの10年の勲章です。

2013年国の委託事業(構造改革にもたじろがない中小企業経営者の創出に係る調査事業)を受託し、ほぼ1年がかりで実施しました。本調査により持続可能性が高い「いい会社」から導き出された16の特色と達成していくことを目指したい34の指標を掲げることが出来ました。

2014年、厚生労働省の障がい者雇用優良企業認証事業の委員長を拝命し、企業経営にとって障がい者雇用に重要なテーマ性があることを社会へ訴求しました。『人本経営実践講座』を東京で開講、これまでに蓄積してきた人を大切にする経営の実践ノウハウを体系化し、10か月で実践出来るようにしました。

2015年『人本経営実践講座』は大阪、それから地元の有志のおかげで四国・島根においても開講できる運びとなり、2019年時点で開講は16期に及び、111社181名の経営者・経営幹部に受講していただきました。参加企業でミラクルな出来事が立て続いており、人本経営のパワーを改めて実感しました。

2016年2008年の伊那食品工業から始めてきた「いい会社」のベンチマーク視察回数が500回を突破。「あの会社に行った方がいい」という情報提供も増え、新規オリジナルの視察先も増えていきました。またこの年、大企業からベンチマーク視察の業務を受託、ヘッズさんなどへお連れしました。

2017年社会保険労務士会の必須研修の講師として指名がかかりました。テーマはもちろん「人本経営」です。同業者で人本経営の伝導を業にする者が増えるのは社会にとって価値のあることだと考え、「人本社労士の会」を立ち上げ、研鑽を積む月例会は2019年12月で26回目を迎えています。

2018年人本経営の伝導が、とうとう海外へ及ぶことになりました。韓国の著名企業から、人本経営の手ほどきをしてほしいという依頼があり、講師を務めました。政治状況は過去最悪と言っていい関係になっていますが、人本の理念を大事にする経営をする企業が増えれば、必ずよくなると信じています。

2019年経営者とともに経営幹部を育成していくことを目指し、『CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)養成講座』を東京で開講しました。参加者の評判は上々です。今後は、実際に職務としてCHOを名乗り活躍する人材を輩出していくことにつなげていきたいと考えています。

10年間で人本経営を直接指導した企業は126社を超えるに至りました。今、改めて人を大切にする人本経営に出会うことが出来て、本当によかったと思えます。振り返って、社会のあちこちで「一灯照隅」を実現することはやってこられたかな、という実感が沸いてくるからです。

そして、今、これから10年後、どこまで前進できるだろうかと思いを新たに馳せています。SDGsのゴールも2030年です。今やだれもが、気候変動、それによる甚大な災害が増えてきていることを実感しています。この10年間で世の中の流れを明確に変えなければ、人類の未来に重大な影響が及ぶのは必至だと肌で感じています。

人本経営の力で、あらゆるステークホルダーとの関係の質がよくなり、世界中が調和善循環していくように、「万灯遍照」させていくエネルギー源になっていきたい――10年後、今よりも笑顔溢れる社会にするために。

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