第862号 伊那食品工業へ近づく人本経営実践企業

第862号 伊那食品工業へ近づく人本経営実践企業

伊那食品工業へ近づく人本経営実践企業

さすがの伊那食品工業も増収には至らずですが、幸せを実現するための社員の生活は維持されています。

ここに人本経営、年輪経営の確かな成果を見る思いです。

新型コロナパンデミック発生直後から、塚越寛最高顧問は「コロナウイルスの感染拡大で景気が低迷したからといって社員を切るなどということは絶対にあり得ません。そのためにずっと取り組んできたし、売り上げが半分になっても社員を2~3年雇用するくらいの力はある」と明言されておられましたが、有言実行です。

こうした思いが、500人近くとなった一人ひとりの社員の心に届かないはずがなく、なんとしても、この危機的状況を自分たちの力で打破していこうと一丸になっているであろうことが目に浮かぶようです。

今だからできること、この状況下でより役に立つあり方、自分たちの可能性をとことん突き詰めて思考の質と行動の質を研ぎ澄ましているに違いありません。

必然としての結果は必ずついてくる、その確信は皆さん揺るぎないことでしょう。実際、数年先にはそうなっているはずです。

■非常時に浮き彫りになる「いい会社」

伊那食品工業さんが存在してくれたおかげで、手本として近づこうと業績軸から幸せ軸へ、経営方針を大きく変えた会社は少なくありません。

周りのその決断した経営者から、「コロナ禍だからこそ、人本経営の大切さを身を持って感じます」という声が届きます。

雇用調整助成金の申請をサポートして差し上げた会社の経営者の方からもお手紙が届きました。

集客を伴うサービス業で業界は依然厳しいものの、同社では8月130%、9月170%と対前年比で勢いよく業績がV字回復しているとの元気になる報告をいただきました。コロナ災禍の直後に「パートに至るまで、誰一人取り残すことなく雇用を守る」と発信し、数か月間の営業停止期間を社員一丸となって乗り越え、現在を迎えられています。

その方は数年前に人本経営実践講座に参加され、幸せ軸へ経営の舵を切っておられました。この未曾有のコロナ禍にあって優しく、そして、たくましく育っていたことが明確になったのです。時期は遅れたものの夏季賞与の支給も実施されたとのことです。

また日本に、人を大切にする「いい会社」が誕生いたしました。

人本経営の伝道に注力するために、助成金の申請代行の業務を封印してきましたが、今回のコロナ禍では、さすがにお困りの会社もあることでしょうから、人本を志している会社様から求められた場合には、ご支援をさせていただきました。添付書類が暫定的に軽くなったとはいえ、その手続きにはやはり相当の時間がかかりましたが、この会社の社長さんは「助成金手続きに時間を取られず新規集客に集中できた」ことがV字回復の決め手になったと回想されています。

間接的ではありますが、人本経営を貫き、持続可能性を高めることに貢献できたという事実をうれしく思います。仕事で役に立つ喜び、やはり、この幸福感は何物にも代えがたいものがあります。

これからも勇気と自信をもって前へ進んでいきましょう。

それにしても、冒頭のレポートですが、伊那食品工業の人を大切にする人本経営を「古き良き」と断じてしまうのでは見識が浅いのではないでしょうか。人の幸せにとって、永久不変的な本質を全うすることは、古いのではなく、「常に最新の良き」経営に他ならないのですから。

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