第755号 GPTWの最新提言を検証する② 心を雇う

第755号 GPTWの最新提言を検証する② 心を雇う

GPTWの最新提言を検証する② 心を雇う

心を雇うとは、いい表現と感じます。心のない機械ではなく、心のある人間が主役になる時代、まさしく人が中心となる人本経営が、これからますます時代の中心になってくると自信と確信が持てます。

指揮命令で巨大な組織を動かすことで大量生産を目指した右肩上がりの環境がなくなり、人口減少という右肩下がりの新しい環境下において企業が付加価値を生み出していくために必要なことは、心ある一人ひとりの社員のポテンシャルを高めていくことに尽きます。そのためには、任せて育てる以外にありません。だから信じることだとGPTWは提言しています。信じるから信頼が生まれると説いているのです。これを実現させていくための鍵は、性善説に立脚したマネジメントであろうと想定されます。管理主体の組織では、どうしても社員に対して性悪説で物事を発想しがちになっていたと思いますが、ここでも発想の転換が必要になってきそうです。

人本経営に成功している「いい会社」は、「そこまでするか」といった感動想起や、その会社にしかできないようなオンリーワン的な商品開発を実現することを得意としています。それはまさしく、現状に満足せずに、変化して成長し続けるイノベーションが起きているからに他ならないでしょう。そのためには、社員一人ひとりの潜在能力を高めよということです。

いい会社でよくみられる「何でも言える組織風土」を実現していくことの重要性とこの提言はオーバーラップします。何でも言えることで、それぞれの社員の長所が発揮され、それがイノベーションにつながる結果をもたらす可能性を高めるということでしょう。納得できる提言と感じます。

これは解説の余地がないところですが、GPTWでも、働きがいのある会社を調査し続けて、「年輪経営」の重要性を指摘するに至っているのだと感じます。伊那食品工業の塚越寛会長の経営哲学の正しさが立証されているかのようです。「年輪経営」の状態を続けていくことで、社員の健康も確保でき、敵をつくることもなく安定した状態をキープし続けることができていくのです。(以下次号)

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