第1055号 幸せな職場、実現のための要諦
2024.10.7
幸せ軸の人本経営では、管理型のボスマネジメントではなく、支援型のリーダーシップが組織開発の要諦となります。
支援型リーダーシップとは、次の10の行動です。
- 対話する
- 傾聴する
- 顧みる
- 気に留める
- 考える
- 合意形成を図る
- 信頼する
- 任せる
- 承認する
- 感謝する
ボスによる一方的な指示で仕事を進めるのではなく、各職場はもちろん他部署間でも対話の時間を意図的に用意していき、仕事の本質的な課題を自分たちで見出し、その解決策を考え、自ら行動して改善し続けるサイクルをつくっていきます。
「対話」ではまず傾聴を実施することを習慣化していきます。「傾聴」の目的は、相手を理解することです。傾聴の重要性は言われ尽くしてきた感がありますが、やはり相手との「関係の質」を高めていくためには欠かすことはできません。ここで読者にお尋ねします。
「人の話を聞きながら、何を言おうか考えていませんか?」
言われると、なるほどそのとおりだと感じる方が多いのではないでしょうか。それは文字通り相手の言葉を耳に入れて聞いている行為です。傾聴とは14回心で受け止めるように相手に寄り添っていくことです。24時間365日、傾聴することは出来ませんし、その必要はありませんが、傾聴する時間をつくることで自分の意見を言おうというスタンスではなく、相手が今、何を考えているか、悩んでいるのか喜んでいるのか、どういう状態であるか、そして相手の人となりが理解できるようになります。すると「顧みる」「気に留める」「考える」、すなわち慮っていくことができるようになるのです。確実に、それがよい思考と行動につながっていきます。人は説教や正論では変わりません。理解されたと感じるときに変わるものです。人間関係をよくすることに効率性はありません。よって傾聴回数を増やすことが大事です。
共感性が高まったうえで適切な主張をする
こうして共感性が高まった状態で、チームとして協働していくために、適切な主張もしていき、相互に納得感が増すように対話を進めていきます。その結果として「合意形成」を図っていきます。チームとしての行動方針に納得が得られたのなら、メンバーに役割を与えて自律的な行動を促します。この際は「信頼する」「任せる」という待つ行動が重要です。相手を先に信じるから、こちらへの信頼も増します。まさに鏡の法則です。そして、以前にはできなかった進歩を感じたのなら、すかさず「承認する」のです。いわゆるストロークという行為です。成長実感・貢献性の発揮・個性(長所)の発揮・継続の実践・良心的な態度といった場面では、すかさずに、そして確実に褒める声がけをしていきましょう。あとは大前提ですが、数多ある企業の中で、わが社、わが職場で、今日を共に過ごせているという奇跡に「感謝」して一日を閉じていきましょう。
支援型リーダーシップはすなわち「利他」ということですから、リーダーだけでなく、全員がその意識をもって行動していきます。行き届いたとき、確実に職場は幸せに満ちた社風に包まれていることでしょう。
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