第684号 社内対話を成功させる法1
2017.5.15
社内対話を成功させる法1
人本経営の実践のためには、やらされ感のない職場文化をつくっていくことが求められます。
それを実現させるために、「対話の促進」が欠かせません。
そのやり方は、委員会活動、合宿、社長塾の開催、一対一の対話の場づくりなど各社各様ですが、成功するためのあり方は、やはり一つといえます。
■成功する社内対話の促進
1.目的の明確化
どんなのやり方であれ、そのことを実施ししていくにあたり、何のために開催していくのか、という目的の明確化と目標の設定を行います。どのような業種であっても組織として活動している限り、以下の目的を叶えていくことは普遍的に重要といえます。
<目的>
「元気で明るい風土(笑顔を増やす)」「ひとりひとりが主人公(やらされ感をなくす)」「チームワークが発揮される職場(助け合い思いやりのあるお互い様の精神を養う)」が実現すること
上記目的の実現にむけて社員全員の合意を図ります。この目的を実現するために、今後、社内活動をしていきたいと考えていると社内に向けて発信し、その方向について異議がないかを確認し、全員が賛同するということを確認して次のステップに進みます。
2.対話できる場をつくる
目的を実現していくために話し合いができる場をつくっていきます。まずプレプロジェクトとして、キックオフメンバーを募ります。この後、どのような形で進めていくことになるかは、現時点では定まっていませんが、目的に向けて活動していく推進役を担ってくれる有志を募ります。
3.キックオフミーティングの開催
一定期間のメンバー選考期間を経て、第1回のキックオフミーティングを発足します。メンバーはモチベーションが高く、職場環境の改善に貢献意欲が高いと思われるスタッフには予め打診をしておくとよいでしょう。そして、階層に関係なく初期メンバーとして協力したいという者を立候補制で募集します。会社に意見具申したいのであれば、ぜひ参加をしてほしいと投げかけ、参加しない場合は今後、プロジェクトで決定していくことを尊重し、積極的に協力していくことを約束してもらいます。
[ベンチマーク]さんびる
どうしたら社員たちが会社に誇りをもち、輝くことが出来るのか――このことを追い求めて2001年に構造改革推進委員会を立ち上げた。明るく元気で地域になくてはならない存在になっていくことを目指して経営改革を次々に断行。役職呼称をやめフルネームのさんづけで呼びあうことや、なによりも社長自らが社員と向き合い、ひざ詰めで対話できる時間を創り続けていくことに腐心し、一人ひとりの社員が心から「この会社に入ってよかった」と思えるように様々な工夫を凝らしていった。
[ベンチマーク]ファースト・コラボレーション
社風と業績に相関関係があると気づいた武樋社長は、「元気で明るい風土」「ひとりひとりが主人公」「チームワークが発揮される職場」が実現できることを経営理念に込めて社員との共有化をはかっていくことにした。社員からの「こんな会社にしたい」という意見も妥協なく吸い上げていった。その結果、「フラットな組織」「命令なし」「ノルマなし」「歩合なし」「営業なし」という経営スタイルが実現されていった。
4.具体的活動を進めていく体制づくり
キックオフミーティングでは改革していくべきテーマをある程度グルーピングして、それぞれ分科的に活動を進めていきます。
[ベンチマーク] 天彦産業
企業活動の一環として委員会活動をしており、社員全員がヒラメキ(自己啓発・促進)・トキメキ(社内外に対する広報・情報収集)・ハツラツ(心と体の健康管理・促進)・スッキリ(安全・美化・しつけ)の4つの委員会のいずれかに属し、より良い企業文化作りのために活動している。
(次号へ続く)
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