未曾有のコロナ災禍下スペシャル企画　日本の針路Ⅹ　いい世界をつくりましょう

（前号より続く）

■いち早く日本が立ち上がり世界復興の先駆けになる千載一遇のチャンスととらえるべき

冷静に考察すれば、ここまでみてきたように日本は今回のコロナウイルスによる被害は軽微です。奇跡的に被害が少なく、災害復興が宿命で経験豊富な日本は率先垂範して世界に持続可能性をもたらすパワーとリーダーになる資格があるということを意味しています。いち早く世界が正常になるように働きかけをしていくことで大いに世界に役立つ時が到来しているのです。

数多の自然災害に見舞われても、災害に見舞われた住民が、殺生や争奪をせず、秩序よく行動していくことができる国民性は、これまでも世界から称賛されてきました。スポーツ会場でのごみ拾いなどのマナーの良さや世界有数の清潔な国をつくってきたことも確かでしょう。見本となるべき利点は数多くあると、奢ることなく日本人として自信を持ちたいものです。今回、犠牲者が少ない理由がそこにあることは明白だと感じられるからです。

■戦わずして勝つ

ウイルスとも共生するということを、世界に先駆けて行動し、経済活動を安全に再開させ、世界を正常に戻す牽引を実現していくことにより、日本が戦わずして勝つ姿勢をみせることが今次の戦争の終戦の姿、決着点ではないでしょうか。そして、その暁に世界平和が復活した証としての五輪が満を持して東京で開催されるというシナリオになれば、これほど劇的なストーリーはありません。

■「いい会社をつくりましょう」から「いい世界をつくりましょう」へ

根絶できないウイルスとは今後もバランスよく付き合っていくことが必要です。つまりアフターコロナの世界では、「持続可能性」が最大テーマになってきます。その時に日本のお互い様、お蔭様、お先にどうぞという利他を重んじる和の伝統と風土が、2600年もの長きにわたってひとつの国を継続させてきたという事実は圧倒的な説得力を持つのです。

持続可能性を増して行くために真剣にどうしたらいいのか考え始める世界は、その答えのヒントを必ず日本に見出し始めることになるでしょう。日本のようになろう、なりたいと共感共鳴の輪が起きたら、いよいよ山は動きます。

日本で永続を実現している組織は、人を大切にする経営をたゆまなく歩んできたという事実を知り、日本の「いい会社」に学び始めるに違いありません。全国各地で奮闘している人本経営に成功した企業は、これからますます忙しくなります。最前線で持続可能性を体現している「人を大切にする経営」を実現してきた人本経営者とその仲間に注目が集まってきます。コロナとの戦いの果てに世界にベンチマークされるような存在になったとき、日本が今次の大戦で勝者になったと喜び合いたいものです。それにより第二次世界大戦の敗戦国という汚名は名実ともに完全に返上できることでしょう。

合言葉の「いい会社をつくりましょう」を「いい世界をつくりましょう」に格上げして、わが国の原点である「和」の伝統、風土を日本で取り戻し、世界へ広げていきましょう。そして、誰ひとり取り残さないSDGsを、日本が国是としてきた八紘一宇の理念を正しく実践していくことで形にしていけば、建国以来の悲願である真の世界平和の実現が待っています。そのゴールが2030年です。

こうしてコロナ後の世界で平和共存を実現する貢献が出来て世界から賞賛感謝される存在にわが国がなるのなら、保守も左派も文句はないはずです。

今こそ心ひとつに力を合わせてこの困難を克服し、輝かしい未来をつくろうではありませんか。

（了）

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