第835号 未曾有のコロナ災禍下スペシャル企画 日本の針路Ⅴ 扇動に注意
2020.4.29
未曾有のコロナ災禍下スペシャル企画 日本の針路Ⅴ 扇動に注意
(前号より続く)
■敗因④ 大本営発表にみられる戦果誇大報告の悪癖(煽り報道を垂れ流すマスメディア)
先の大戦では、戦争突入への世論を形成していく大きな原動力となった存在として、扇動的な報道を行う朝日新聞をはじめとするマスコミの存在があったといわれています。
また、完全に戦況は悪化しているにもかかわらず、虚偽の戦果を垂れ流していた大本営も被害を拡大させる要因になったといわれています。
⇒ 現況で考えると…
いつの時代もマスコミの社会に与える影響は大です。
今回も毎日毎日テレビからは悲観的な情報が夥しく垂れ流されてきています。
明らかに一部分だけを切り取り、それが日本全体で起きているかのような錯覚を与えています。
欧米での死者数は深刻で、ロックアウトのような強制施策もやむなしとは思いますが、同じ様にわが国がまるで米国や欧州のような死者が出ているかの如き煽り報道には驚き、これはよくないと感じます。
輪をかけて地域の首長たちが自粛要請という名の強制を強いていますから、同調圧力がますます強められていきます。これでは戦況を的確に伝えなかったかつての大本営と同じだと感じます。
■敗因⑤ 一億総玉砕という同調圧力(バランスを欠いた空気感とその実勢)
「欲しがりません勝つまでは」「臥薪嘗胆」「鬼畜米英」・・・冷静に考えれば絶望的な局面に至るまでに講話により戦争を終結できるチャンスはありましたが、マスコミ・大本営に連日連夜扇動され、それを鵜呑みにした国民の中には狂信的、盲目的に追随する者も少なくなかったといいます。
1939年以降、木炭・マッチ・米穀などの生活必需物資が配給制となりましたが、これらの配給業務や軍人遺家族援護、防空、消火の訓練と実施などの相互扶助的な日常活動が町内会、隣組などを通じて行われるようになると、これらの機構は内務官僚の指導のもとにきわめて強固な国民支配組織として機能するようになったということです。その同調圧力はすさまじく、国民の生活を著しく制限していきました。
⇒ 現況で考えると…
「自粛要請」「あと2週間の我慢」「ステイホーム」といった言葉がマスコミで朝から晩まで報じられています。特にテレビばかり見ていると確実にそれしかないのだという気になっていきます。そして、視野が狭くなり、せっかく咲いた百合や藤の花を「人が集まるから」とすべて切り落としたりするような、平時には信じがたい行動が横行しています。
同調圧力が本質的でない方向に効きはじめると、社会は、かつて一億総玉砕にまで集団ヒステリー状態が昇華したように、最大多数の最大幸福が危うくなっていきます。危険です。
現代の隣組はSNSです。過剰自粛にあらがう言動をすると、すかさず取り上げられ、炎上の対象となります。少し冷静になって、日本は過剰自粛する必要がないということに気づくべきではないでしょうか。
ウイルスを根絶させることはできない、ということが事実ですから、ある程度のところで折り合いをつけて経済活動を再開させることが必要です。そして、奇跡的に被害が軽微な日本が率先してウイルスに屈しない姿勢を世界に示し、平穏をとりもどすイニシアチブをとることこそが、ふさわしい役割を担っているといえないでしょうか。
(以下次号に続く)
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